【陰陽寮編.前編...第五話】少女は夜と鮮やかに
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【陰陽寮編.前編...第五話】少女は夜と鮮やかに
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🔮「姉様に何用です?」
牡丹を背にかばう織兎に、対峙するは葵であった
🦋「数々の人を惑わし、破滅へと導いた傾国の妖が見たいだけでありんす
そこな小娘、どきなんし」
🔮「なっ…お断りします
姉様は見世物ではございません
…お引取りを」
🦋「力の弱い小娘なんぞにわっちが従うと思うたのかぇ?
そこな妖華に美の秘訣を聞きたいだけよの」
🏵「美の秘訣、ねぇ」
平行線を辿る会話に痺れを切らし、織兎をそっと制し、会話に割り込んだのは渦中の人、牡丹であった。
表面上笑みを浮かべているが、大事にしている妹分を小娘とバカにされた事に静かに怒りを溜めていた様子
🏵「そうねぇ…代々の持ち主が私を大切にしてくれたから、じゃ答えとして不十分かしら?」
🦋「大切にしてくれた?
代々の持ち主の生気を吸い取った、の間違いでありんしょう?」
🏵「私は欲しいなんて言ったことは1度もないわ
あっちが勝手にくれるのですもの」
🦋「それは…自供と受け取っても?」
🏵「どうぞ、ご勝手に…
用事はもう終わったかしら?
私達、旅立ちの準備で忙しいのよ」
言外に貴方達が出ていけっていうから大変なのだ、と訴える牡丹
🏵「それじゃあ…失礼するわ
織兎、参りましょう?」
🔮「はい、姉様」
毅然とした態度で葵のそばを通り過ぎようとする2人
だが、それはかなわなかった
🦋「行かさぬ!」
🔮「姉様!危ない!」
刹那、金属同士がぶつかり合う鈍い音が響く
葵の持つクナイのような暗器と織兎の鉄扇がぶつかりあった音だった
競り合う2人を離すべく、駆け寄ろうとする牡丹だったが、織兎に止められた
🔮「姉様の手を煩わせる程の事ではありません!」
🏵「織兎ちゃん!
貴女…一体何を…」
競り合ったまま、葵は答えた
🦋「人に害なす妖は逃すな、と統括長より命令されているのでありんす…はぁっ!」
暗器をぐっと押し込んだ反動を利用して、距離をとる葵
2人が離れた瞬間に織兎を抱き込み、守りの結界を展開する牡丹
🏵「私は害なんてくわえてないわ
彼らが勝手に私に生気をよこしただけ、よ」
🦋「そうさなぁ…そなたにとってみればそうであろうな、死んだ当人たちも了承済みだったやもしれず…
しかして、我らは陰陽寮
結果的に人を害なしてしまったものを滅するのも使命なりゃ」
🏵「…随分と融通がきかないのね
織兎、ここを突破して屋敷をでるわよ
…いけるわね?」
🔮「えぇ、必ずや、2人で屋敷を出ましょう!」
これ以上の会話は不要だった
己が想いの為、双方が激しくぶつかり合うのだった
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🔮鳴らない鳴らない 君の名前が
痛い痛いなあ 🦋🔮アハハハ
🏵足らない足らない 頬のチークが
薄い薄いなあ 🦋🏵アハハハ
🦋切って貼って また切り離して
ねえどの容(かたち)が アタシでしょうか
捻って捩(ねじ)って わからない
繰り返す日々 くるくる回る
🏵36度2分の熱が 悲しい程傷をつけたら
鳴く娘も喘(あえ)ぐ丑三つ時
🔮少女は夜を纏い踊る
🦋🔮🏵指先が熱持って心の臓を這いずり回って
蕾が咲いたら また来世 Bye Bye!
🏵繋がって 🔮離れて 🏵🔮糸引く 誰たそ彼
🦋🔮🏵残念お時間 🦋ラッタッタッタ!
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🏵牡丹(ボタン)
CV.さとら様
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🦋葵(アオイ)
CV.ソノラ様
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🔮織兎(オリト)
CV.月瀬ひるく様
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#少女は夜と鮮やかに #Matica #ピアノ伴奏
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