🎪 戻ることない失った日々を 🎭
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SCRIPT1-4『レインダル通り』
雲の上で数刻を過ごし、ミラは少女に一段と懐いたようだった。地面に降り立った後も、彼は少女の手を掴んで離さなかった。
「どこに連れていくの?」
興味深そうに閻魔様が尋ねると、ミラはよくぞ聞いてくれたとばかりに胸を張って答える。
「ごはんのところ」
つまりは、お気に入りの食事処に少女を連れていってあげたいのだそうだ。
「妾もついてってもいい?」
「閻魔様のおごり。うれしい」
都合の良い解釈をして走り出すミラに、少女と閻魔様は顔を合わせて吹き出した。
「仕方ないなぁ。君にもご馳走してあげるよ」
そう言って閻魔様は少女に手を差し出す。白と水色のスカートが風に揺れ、花弁みたいにひらりと踊った。
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一行がレインダル通りの食事処に辿り着くと、そこには既に先客がいた。紅茶を片手にいつもの不敵な笑みを浮かべているサフィと、真昼間にも関わらず顔よりも大きなジョッキを手にしたダンが向かい合わせに座っている。どことなく不思議な組み合わせであった。
「またお酒飲んでる」
ミラが僅かに顔を顰めて言うと、ダンは挑発的な笑みを浮かべて彼の頬をむにっとつまんだ。
「大人には大人の楽しみ方ってモノがあるの。お子様はお黙りなさいな」
「おこさまじゃない」
「あらあら、それは失礼」
失礼だとは微塵も思っていないような態度で、ダンは可笑しそうに声を漏らす。そして、流れるようにミラの後方にいた少女へと視線を向けた。
「貴方も一緒にどう? 今なら面白い思い出話を聞かせてあげるわよ」
怪しげな色を含む眼光がこちらを凝視している。少女は魅力的な何かに誘われるようにして、ダンの隣に腰かけた。
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〖LYRIC〗
🎈きっと僕は死んでしまったんだ 食べるものにはまるで味がないみたいだ
きっと僕は死んでしまったんだ 母親の愛をまるで感じないんだ
🪞流れる雲を眺め思い出す 季節に置いてきぼりな僕の心
🧊からっぽな胸を張れる訳もなく 耽るのは妄想ばかりだ
🧊🎲昔話にだけは花が咲いた
🎈そう生まれた時からわかっていたんだ 深海に沈む船のように
🎲いつか忘れ去られてしまうのだ 思い出だけが過ぎてゆくのだ
🎈僕は死んでしまったのだろうか
🧊ただ息をして待つばかりさ
🪞泡沫に呑まれ消えゆく日を
⚰️戻ることない失った日々を
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〖CAST〗
🧊サフィ(cv:オムライス)
https://nana-music.com/users/1618481
🎈ダン(cv:二藍つばさ)
https://nana-music.com/users/1665291
🪞ミラ(cv:瑠莉)
https://nana-music.com/users/6276530
🎲閻魔様(cv:はいねこ)
https://nana-music.com/users/7300293
〖ILLUSTRATOR〗
秋ひつじ
https://x.com/akhtj0801
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〖PLAYLIST〗
https://nana-music.com/playlists/4041431
#CIRCUS_IS
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