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ゴーストダンス
Aqu3ra
ゴーストダンス
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#フィナーレを君に
λευκός σωτηρία04/ゴーストダンス
猫が鳴く。月明かりを浴び、夜を生み出すレンガ造りの街。
「この猫、ファエラの顔に似てる!」
「本当だ」
「本当か?」
あちこちを巡る逃避行の旅は始まったばかりだ。
二人の天使は、その手腕で行く先々に出会う病を次々に治していく。そして隣に付き従うナツメに伝説や逸話を聞かせながら、各地の土を踏みしめた。
「何百年も前、この城には魔女がいた」
「魔女?」
街から相当離れた森の中。ナツメは一匹の白フクロウと目が合った。フクロウは「ホウ……」と一声鳴いて、羽音を立てずに飛び去っていく。
「そうだ。魔女狩りから逃れた魔女がここで暮らしていたらしい」
「人ならざる力を持つものは、往々にして人の脅威となる。魔女狩りはまさに典型的な例だ」
サリアがひび割れた壁をなぞる。時折外壁伝いに零れ落ちる砂が、経年劣化を目に見えて感じさせた。伝説が伝説となるように、いつか古城も風化し、その跡だけを残すだろう。
「古城は廃れ朽ちていくが、今では魔女伝説はこの地で愛されるものになった」
街で出会った猫も、森のフクロウも、初めて訪れた魔女がこの地へ持ち込み繁栄した生き物だと、まことしやかに語り継がれている。
まるで魔女の残り香だ。人々はかつて迫害した魔女を再び愛して、それの持つ魅力を夢物語へ昇華させる。
それならば、天使は魔女以上に受け入れられるべきだ。怒涛の歴史こそなくとも、天使は無性の優しさで生活に寄り添っている。神の手が人道を外れた力だとしても、二人は使い方を間違えない。
「魔女は人を愛し、愛された人も生涯を賭して連れ添ったと言われている。その恋慕もまた、人を惹きつけるのだろう」
だからこの地では恋人が多く、互いを思いやる心を忘れないのだと、ファエラが付け加えた。
よくあるお伽噺だ。それも万人受けするような。
古城を見上げるナツメの脳内で、なにかがそう囁いた。
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ㅤ ㅤ Voice actor
ナツメ🧸てでぃべあ
ファエラ💠🦐
サリア❇️07
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