真夏と少年の天ノ川戦争②
Orangestar
真夏と少年の天ノ川戦争②
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1箇所目「町」📂file:1
🐈⬛真夏と少年の天ノ川戦争②
傍に置いてある、オーソドックスに赤いランドセルを見るに、彼女は小学生で間違いないだろう。この町に小学校は2つしかなく、そしてこの場所はどちらの学校からも徒歩30分はかかる。こんな猛暑の日に、少女がたった一人でここまでやってきたのかと思うと、徐々に心配な気持ちが募ってきた。
「あのさ……どうしたの?」
不審者と間違われぬよう、恐る恐る声をかけてみる。が、しかし。
「あ、あの、聞こえて、る……?」
完璧な程に美しいフル無視。僕はもしや幽霊だったのかと錯覚するほどだ。無視の全国大会があったならば、彼女は間違いなく日本代表になっただろう。もしかしたら、その才能で世界へ飛び立っていたかもしれない。
まぁ何にせよ良いんだ。今どき何かと物騒だから、小学生が無視を決め込むのもおかしな話ではない。犯罪者にだって黙秘権があるんだから、罪のない小さな少女がいくら無視をしようと、それはけっして咎められることなどでは無い。
なんてどうでもいいような文句を、僕は油断して呟いてしまった。
それまでずっと黙りを決め込んでいた少女が、ふとゆらりと立ち上がった。そして、大きな黒い瞳で僕を睨みつけ、辺一体に響き渡るような大声で、こう叫んだ。
「うっせー、ロリコン!」
一瞬、世界が停止した。
「……は?」
額に冷や汗を浮かべながらも、やっとのことでそう返した僕に、少女は畳み掛けるように言葉の暴力を浴びせ続ける。
「お前がくーちゃんをどっかやったんだな!?くーちゃんを返せ!この腐れ童が! どこにいるのか答えろよ!」
困惑で戦闘不能となった僕にひとしきり罵詈雑言の嵐をぶつけた後、少女はまたワッと泣き出してしまった。
「えぇ……いや、何……えぇ……?」
情けない声で脱力する僕。泣き続ける少女。そんな2人を嘲笑うかのように、蝉の声が一段と大きく耳にまとわりついていた。
🐈⬛真夏と少年の天ノ川戦争③へ続く
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〖観測者〗
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☯️七月五日高一生の夏
部活帰りの夕暮れに
🐣のまれて消えてしまいそうなほど
小さな少女に話しかけてみたんだ
「どうしたの?」って。
💍黙秘権の行使は
全国民に約束されてるけど
やっぱこうも鮮やかにね
無視られると正直くるもんがあるので。
❄️なんてごちゃごちゃと呟いたって
相変わらず黙り込んでた少女が
何の拍子にか立ち上がって叫ぶ
(🌕うっせーロリコン!)
💠「くーちゃん(仏Cou)を返せって腐れ童が!
どこにいるのか答えろ!」って、
飛び出した妄言 罵詈雑言
うわ、なんかまた泣きだしちゃった…
🔮「いや、僕は青春バカです。ハイ。」
いや何言ってんだボクは! 僕は!
動揺でもしてんですか?ホントさあ、もう…
何なんだってんだ!
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#Orangestar #真夏と少年の天ノ川戦争
#全くこれだから夏は
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