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台本:由季 BGM:『All Alone With You』EGOIST 様 演奏: オカユキ🎸様
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【CEA】〈第4話〉『真実と虚構』???
客席には何故か誰も居ない。
すると、暗転の中、何人かの靴の音が聴こえ、それが止んだ時だった。
眩いスポットライトが一気に会場を照らす。
そこに浮かび上がるシルエットは四つ
瞬「ひとりぼっちのユダは、太陽を見つけた」
璃蘭「ユダは焦がれた。あの人に近づきたいと」
要「ユダは渇望し、そして…絶望した。彼は裏切られたのだ」
璃蘭、瞬「「だから裏切った」」
璃蘭「そして、心の底から悔やみ」
楸「"私"はそれを許した」
淡々と言葉を紡ぐ四人。その表情は相変わらず逆光で見えないはずなのに、何故か泣いているように見えた。
楸「…親愛なるユダ。君へ…この曲を捧げよう」
すると、ステージはブルーライトに包まれ、一面が青く、仄暗い世界に変わる。
そして、美しいピアノのアルペジオが響き、少しハスキーな…それでいて透き通った声で言の葉が紡がれる。
その歌声は時折震えていて、見る者の涙を誘った。
やがて、歌は終わりを迎え、再び暗転する。
楸「…突然のことで驚かせてしまってすみません。…どうしても…この曲を聴いてもらいたかったひとがいて、今日はそのために歌いました」
暗闇の中、声が響く。
いつもの世界観に合ったような喋り方ではなく、彼女はありのままの言葉を使った。
璃蘭「私たちの贈り物はこれが最初で最後でしょう。これまでの感謝とこれからの幸せを願って、歌い続けます」
要「…ここではっきりお伝えしましょう。ペルソナは解散しません。俺たちは誓ったんです。そのひとの思いを引き継いで生きると」
瞬「そのひとにはたくさん…心配を掛けてきました。心配させた分、安心させてあげるのが、誠意だと思ったんです」
楸「…忘れないよ。もう立ち止まったりしない。ちゃんと前を向くから…ペルソナのこと、見守ってください。…絶対に後悔させないから」
そう、挑戦的な声色で言ったと同時に、一瞬だけライトがつき……消えた。
地明かりに戻る頃には、ステージには誰も居なくなっていた。まるで煙に巻かれたように。
これは後に伝説として語り継がれ、四人は世界的人気を誇るバンドになっていった。
───ペルソナは歌う。幾重もの仮面を被って。
FIN
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