ステラ
Leo/need × 初音ミク
ステラ
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#星詠みの詩
アリエスの選択を、アスクレピオスは静かに聞いていた。
驚いたような、少し悲しいような表情を浮かべて、アリエスに向き合う。
「いいのですか。星詠みの契を解かなければ、代償は進行し、あなた方の身に大きな災いが降りかかることになります。それでも、貴方は」
「……私は、先代の罪を背負って生きます。きっとそれが、償いになるから」
アリエスの声が、余韻を残して消えた。その直後のことだった。
《それが、あなた達の覚悟》
星空に、あの歌声に似た少女の声が響き渡った。
《勇気あるあなた方に、星の神の祝福を》
刹那、宙に浮かぶ小さな光たちがまるで流星群のように一斉に、アリエスたちに降り注いだ。美しい光は踊るようにくるくると舞い、やがて星詠みたちの体に吸い込まれていく。
それと同時に、見えない鎖から解き放たれたような感覚がして、ふわりと体が軽くなるのがわかった。
──きっと、星の子たちが代償を断ち切ってくれたのだろう。
《生きなさい、愛しい星の使いたち》
少女の声とともに、星の光が一段と強くなる。
あたり一面白い光に包まれたその時一瞬だけ、白髪の少女が赤い目を細めて微笑む姿が見えた気がした。
《ありがとう》
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