ピスケス
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ピスケス
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#星詠みの詩
【ピスケス】
時がたつにつれて、僕は任務についていけずベッドで寝込む日が増えてきた。星詠みになったばかりのころは歩けていた足は、うろこのようなもので覆われて今はもうほとんど動かすことができない。それだけなら、よかったんだけど。
最近、息がとっても苦しい。まるで、肺が空気を拒んでるみたい。調子がいいときは外に出られるけれど、出られない日が増えてきちゃった。
ししょーとガニメデは毎日お見舞いに来てくれる。おいしいお菓子を買ってきてくれたり、寂しがりの僕の手をつないでくれたり。本当に、優しいんだ。
ガニメデはこれを「人魚になるための試練なんだ」って言う。星詠みの力を受け入れるためには、そうするしかないのかなぁ。
そんなある日、調子のいいときに散歩をしていると、カプリコーンに会った。カプリコーンはサジタリアスと任務に向かう途中だったみたい。最近、とても忙しいんだろうな。カプリコーンの困り眉がさらに下がっている気がする。
すれ違ったとき、彼のズボンから覗いた足首にうろこみたいなものがあった。それは、僕の足についているものと同じものだった。
カプリコーンも、僕とおそろいなんだ。……いつか、彼も人魚になるのかなぁ。
星の子は不老不死だから、きっと僕も、カプリコーンもこれからは人魚として生きていかなくちゃいけない。
――あれ?人魚って、陸の上で生きていけるのかなぁ。でも、不老不死なら、死なないよね。
🎶「白兎のワルツ」 はつか様
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