忘れじの言の葉
未来古代楽団 feat. 安次嶺希和子
忘れじの言の葉
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#星詠みの詩
【Prologe】
神々の天文台。
そこは、世界を司る12人の星詠みと、星の子から選別された監督官が協力して任務をこなす場所だ。
今は星詠みであるジェミニと、その監督官のポルックスが星詠みの任務がうまくいっているかの確認中。
星の言葉に耳を傾けて、星詠みたちが何をするべきなのか教えてもらう儀式だ。
監督官5人とパートナーのキャンサーが見守る中、ジェミニは瞳を閉じた。
≪星が、語りかけている。もっと、耳を澄まして。≫
ジェミニが、ぐっと集中するのがわかる。
隣のポルックスは、左の指先で眼鏡を押し上げると、ジェミニの両手に右手を重ねる。
今日も順調にいっている。
――はずだった。
≪世界の均衡が、崩れ始めている。≫
≪一刻も早く、食い止めなくてはならない。≫
「……これは……」
目を開いたジェミニが、小さくつぶやく。
彼女の後ろで、キャンサーが不安そうな表情を浮かべた。
「何が、聞こえたの?」
恐る恐るキャンサーが訊ねるも、ポルックスもジェミニも口をつぐんだままだ。
監督官たちがざわつく中、ペルセフォネが口を開いた。
「世界の均衡が、崩れている。……そうでしょう?」
しばしの沈黙。
「そんな、どうして?任務はうまくいっていたはずなのに……」
キャンサーが焦ったように声を漏らす。
顔を伏せたキャンサーに、ジェミニはこう返した。
「……わからない。でも、まだ序盤のよう。今なら、崩壊を食い止められると思う」
そして、静寂を切り裂くように声を上げた。
「だって、アリエスがやってきたばかりだもん!どうにかして、元に戻そう」
これが、12人の星詠みと6人の星の子の物語の幕開けだった。
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【場所・施設等の設定はこちら】
https://nana-music.com/sounds/06989f23
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