僕らの夏はまた巡って
bll雰囲気真似
僕らの夏はまた巡って
- 86
- 6
- 0
⚠️二次創作雰囲気真似(ブルーロック)⚠️
⚠️自己解釈⚠️
🌱潔世一 :イヴ
🐝蜂楽廻 :ぽぷら
🐆千切豹馬:想空葵
💪國神錬介:結衣華
【Lylics】
🌱夏が僕を呼んだ うだるような空気が
開け放した隙間から忍び込んだ
🐝青春て奴はきっと寒いのが嫌いで
君と同じように不安定なまま
💪何も知らないままで生きていたかったなぁ
"出来ない"のは期待で"分からない"のは希望で
🐆嫌なことも沢山あったんだけどなぁ
思い出せばきっと綺麗に見えた
⚽あの日
僕らが見てた未来はどんなだったか
🌱💪バカにされたって信じてたものはなんだ
🐝🐆青く光って見えた空をまだ思い出せるなら
⚽何度だって飛び越えていけるよ
さぁ一緒に
𓂃꙳⋆ ˖𓂃꙳⋆ ˖𓂃꙳⋆ ˖𓂃꙳⋆ ˖𓂃꙳⋆ ˖𓂃꙳⋆ ˖𓂃꙳⋆ ˖𓂃꙳⋆ ˖𓂃꙳⋆ ˖
世界一のストライカーを生み出すために他人を踏み台にする監獄。それがブルーロックと呼ばれる、潔たちが身を寄せた施設で、参加しているプロジェクトだ。学業から離れるような形で、身一つになり飛び込んだこの環境は文字通り牢獄に閉じ込められたかのようで、外の世界でどのように時間が過ぎているのか、中にいる選手には分からなかった。時計はある、カレンダーもある。時間の流れだって変わりはしないのだが、それでも季節の訪れを感じられるような風情が微塵も無いことも事実だった。
「なんていうかさぁ、やっぱ現実味が無いよね」
チームZと呼ばれた彼らは、一次選考を何とか突破し、体力作りと称した地獄のようなメニューをこなす日々を送っていた。個々人に合わせたトレーニングはこなす量も種類も人によって違うため、特定の誰かと共に行動するといったことはほぼ不可能に近い。それでも部屋に戻れば顔を合わせる面子は同じであるし、食堂やシャワールームなど、練習以外であればいくらでもその"誰か"を探す機会はあった。
食堂で潔の姿を見つけた蜂楽が彼に吸い寄せられるようにして隣に腰掛け、そこへ髪を乾かし終える千切を待って夕食へと引きずってきたらしい國神がやってくる。
正面の席が彼らで埋まることは珍しいことではなく、ここ最近ではいわゆるイツメンのような扱いを受けることすらある四人は、その日も共に食事を取るところであった。
それぞれが自身に出された夕食のメニューを手に取り口に入れようとしたところで、何の前触れもなく蜂楽が放った言葉に、潔ら他の三人は首を傾げた。
「どうしたんだよ蜂楽、変な夢でも見たか?」
「んーにゃ、別にそういうんじゃないけどさ〜」
「じゃあ何が現実味ないんだよ」
潔の心配をよそに蜂楽は気楽そうに笑う。それでも答えは出てきそうもないため、千切が直接的に切り込んだ。一人、食事を続けている國神も言葉がないだけで、内容自体は気にしているようだった。
「うーん……何ていうかさ、俺たちこうして当たり前みたいに一緒にいるけど、ここが無かったら多分、顔も合わせなかったわけでしょ? それって割と凄いことじゃない? って思ったら、何となく夢みたいだなぁって」
「あー、まあ確かに。俺ら住んでるとこも学校もバラバラだしな」
「なんなら俺はサッカーやめてたし。こんなとこ来なきゃ会わなかっただろうなぁ」
箸を咥えたままモゴモゴと、しかしはっきりと言葉にされた蜂楽の考えには、三人も納得したようだ。日本から世界で戦える、世界の頂点を獲るべく集められた三百人のストライカーは、日本中の精鋭たちだ。東北から九州まで、彼らが生まれ育った地は様々で。今この場にいる四人ですら、國神は秋田、千切は鹿児島と遠く離れた地から招集されている。
もしかしたら県大会を勝ち上がって、全国のフィールドで出会うことはあったかもしれない。けれど、こうして互いに鎬を削り合うような熱い日々を送ることはきっと、ブルーロックでなければ出来なかった。
それは、まるで。
「——なんか。それってちょっと、青春って感じがするかも。今ここでしか出会えなかった、一瞬の奇跡、みたいな」
潔の言葉に、三対の目が向けられる。何も返事を返してこないまま自身を見つめる彼らの様子に、潔は慌てたように弁明を図った。
「えっ、俺なんか変なこと言った!?」
「いや……変っつーか、」
「潔って結構ロマンチスト? よくそんなこっ恥ずかしいこと言えるな」
「ひゅ〜、千切りんってばストレート」
「お前ら、そんな明け透けに言ってやるなよ……」
言葉を濁した國神の努力も虚しく、千切のズバズバとした物言いは潔の胸に突き刺さったようだ。さっきまでお前らだって同じようなこと話してたじゃん、裏切り者め。口に出さずともそんな声が聞こえてくるような拗ねた顔で、潔は一人、食事を再開した。下手に口を挟めば再び標的にされるだろうから、との戦略的撤退だった。
「あはは、ごめんって潔〜。まあでも、俺も思ってるよ。ここでの青春ってさ、青色だよなって!」
「ああ……それはまあ、そうかもしれないな」
「それなら俺も思ったことあるわ」
「なんだよ今さら……っていうか、青色? あ、"青"春だからってこと?」
機嫌を損ねた潔に寄り添うように声をかけた蜂楽に、我関せずだった國神も、潔の拗ねた様子を面白がっていた千切も口々に同意した。潔だけがその言葉を分かっていないようで、意図的に会話を絶っていたことも忘れ口を開いた潔に、他の三人は笑って顔を見合わせた。まるで隠すような仕草に潔は益々気にしてしまったようだったが、食堂の利用時間が迫っていることに気づいた彼らは掻き込むようにして食事を終え、そのまま部屋へと戻っていったのだった。
——青く光る双眸がカラリと瞬く様に魅せられて熱くなっただなんて、口が滑っても言ってやるものか!
Comment
No Comments Yet.