🎪 存在価値を奪うでしょ 🎭
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episode IS-Ⅳ『幽世と現世』
生前に一度だけ、彼らの姿を見たことがあった。とは言っても先程まですっかり忘れてしまっていたのだが、いつもの様に大嫌いな彼の顔を目に納めた瞬間、フラッシュバックは起きた。あれは、セイルがまだ現世でのうのうと殺人を繰り返していた頃の話。
計算し尽くされた殺人を終え、セーラが山道を下っていると、そこに黄色のバスが止まっていた。停留所なんてない山奥なのに、不思議なこともあるものだと思いつつ、見つからないように息を潜めていたセーラに、その声は届いた。
「ねぇ、もう帰ろうよ。何処にも地獄行きの人間なんて見当たらないんだけど」
「おなかすいた」
駄々をこねる子どものような声が二つ、次いで、それを窘めるような少女の声がひとつ。
「分かった分かった! んー、確かに穢れた魂がいたはずなんだけどなあ。今はまだその時じゃないのかな」
言葉の意味は何一つ分からなかったが、少女が不満そうにしていることだけは伝わった。何だか嫌な予感がして、セイルは早々に山を下ったのだった。
「今思えば、あれは閻魔様たちが私を迎えに来ていたのかもな」
「なに? セイちゃんが考え事?めっずらしー」
あの時耳にしたものと何一つ変わらない、嫌味な声を受けて、セイルはあからさまに顔をしかめる。
「うるさいな。二度とその面見せるな」
「ひどーい!」
ぷくりと頬を膨らませる彼を適当にあしらって、セイルは劇場を出て街の中へと溶けていく。
いつか自分も、現世に出向いて魂を狩る日が来るのだろうか。ミイラ取りがミイラになるように、幽世の自分が現世の罪人を裁く日は、そう遠くないのかもしれない。
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〖LYRIC〗
⭐️あの世行きのバスに乗ってさらば。
🪞幼い頃 殺めた命は数えきれず
小さな命を葬っては平然と笑って帰路についた
今になって考えたら真っ先に死ぬのは私でよかった
⭐️うらうらとした周りの空気が濃くて
存在価値を奪うでしょ
🎲生命線とか無駄に長いだけで
何の役にも立たないただのしわだよ
心の奥がしょうもない人生観を嘆いているの
耳に刺さる理想 吐き捨てて
🚌消えてしまいたい生涯なんてもんにどんな値が付いて
自己中心的だって?思いの欠片も知らないで
どうせ向こう数十年経った先では煙たがれて
🎲なら私を刺して殺して奪って去って
🪞あの世行きのバスに乗ってさらば。
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〖CAST〗
🪞ミラ(cv:瑠莉)
https://nana-music.com/users/6276530
⭐️リヴィア(cv:日向ひなの)
https://nana-music.com/users/2284271
🎲閻魔様(cv:はいねこ)
https://nana-music.com/users/7300293
〖IMAGE CREATION〗
はいねこ
https://nana-music.com/users/7300293
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〖episode IS PLAYLIST〗
https://nana-music.com/playlists/4012716
#CIRCUS_IS #WhiteYouzy伴奏
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