シャッフルユニット:その20
タイニーバニー/youまん
🌌Noir・Marionettes(cv.つくしんぼ)
🦾朱城蒼(cv.夏規)
🔄2人
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何年前だったのかは思い出せないけれど、あの日僕は、死んだ目をした悪魔の女の子に出会った。
軽く首に手を回したら、すぐに折れて死んでしまいそうな、そんな雰囲気で。苦しそうにするでもなく、ただ淡々と、悪魔の女の子は僕を見て言った。
「…生き返らせてあげる」
ただの気まぐれだったのから分からない。けど僕は、それを拒まなかった。死にかけの僕に手を伸ばしてくれる人がいるなら、悪魔でもいいと、そう思ったのかもしれない。
こうして、ぼくと彼女の過ちは、始まった。
体だけが落ちていて、もう魂はない。そんな状態の人は沢山いて、わたしはその人たちを、彼の体にした。魂を入れさえすれば、何も問題なく動く。とはいえ体は死んでいるのだから、段々と動かなくなっていくわけで。その度に、探しては見つけて、入れ替えた。
そうしていくうちに、段々と彼は狂っていった。何もしていないのに泣き出すし、もうやだと喚く。今更止められはしないのに。それをわかった上で彼は騒いだ。
だから、わたしは。いつの日の記憶か、これが誰なのか、何も分からないけど。あの日のあの人のように、彼に言った。
「悪魔の慈悲をあげる」
何回目のリセットかも分からない。リセットする度に、彼が狂う時間は早まる。今回も、思ったよりも早かった。ブラブラと空になった体を持ちながら移動していたわたしを見つけた彼は、病室で寝転がっていた。
「…今回で、終わりにしようと思って」
「…簡単には、終われないけど」
「うん、知ってる。だから、終わりにするのはこれじゃない。君との関係も終わりにしない。朱城蒼を、終わりにするんだ」
不思議と、何も思わなかった。そうなんだ、ただそれだけ思って、でも、ただそれだけのはずなのに、わたしは。
悪魔の涙は初めて見た。さすがに動揺する。何に対してなのだろう、問いかけても彼女は首を傾げるだけで、いつものように分からないと言うだけだ。
沢山間違えた。沢山過ちを犯した。沢山泣いた。沢山狂った。それは、ぼくも、君も。…そして、僕も。
この魂が終わることは無い。この関係が終わることも無い。僕はあの日伸ばしてくれた手を信じたくて、きっと君は、あの日の自分の心に従った行動を辞めたくない。なら、それでいい。
「…次はぼく、女の子がいいかも」
「…男の人、持ってきちゃった…」
「…ふふ、いいよ、それで」
この奇妙な関係は続いていく。ぼくたちの過ちは続いていく。これからも、ずっと。
꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱
🦾背比べ 瓜二つの 良く似た落ち零れ
縦に並んで 立ち徘徊っていた
🌌一寸の行先さえ 測れぬ闇の底
音を頼って 道を手繰っていた君は何時しか
🌌罵詈や虚言の奥に潜む
憐憫さえも汲み上げて
真に受けた心は粗鬆に成って仕舞っていた
🦾不義や虚飾の奥に覗く
延命ばかり積み上げて
何も無い未来に如何して僕は縋っていた?
🦾少しだけ前に、何時も前に居た
🌌君の足跡が今は途絶えて見当たらない
🔄唯一つだけ声に出せなかった儘
胸に閊えていた違和が唱えた
🦾過ちに気付いた
#色の国公式 #色の国創作
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