【ひざ掛けとの思い出】嫌いなもの【鼠】

演者：コラボ者様　　台本:ゆん

私は冬が好きじゃない。 寒いし、みんな、恥ずかしくない膝掛けを これ見よがしに持ってくるから。 白くて可愛いモコモコだったり 流行りのキャラクターのだったり。 私と言えば…くたくたに使い古された鼠色の膝掛け。 穴が空いたと母に渡しても編みなおして返ってくる。 何度も新しいものをお願いしても買ってもらえなかった。 貧しいわけでもないのに。 あまりに頭に来て「なぜ？」と母に聞いた。 「小さかったから覚えてないかもしれないけど、 おばあちゃんがね、 亡くなる前にあんたにって作ったものなの。 高校に行っても使えるようにって、 嬉しそうに編んでいたから、 せめて卒業するまでは使ってやってほしいのよ。」 そう言った母は少し寂しそうに笑った 大好きだったおばあちゃんが 作ってくれてたものだなんて知らなかった そうなら初めから言ってくれてもよかったのに… 「わかった。ごめんね」 私は泣き顔を見せたくなかったので部屋に逃げ込んだ 入ってすぐ私はカバンに膝掛けを入れる 残り少ないかもしれないけど膝掛けとの思い出を作っていこうと決めた 少しだけ冬が好きになったのかもしれない ーーーーーーーーーーーーーーー ネズミはむずいって🐭 いつものテーマ台本企画でございます(*´∀｀*) よかったら読んでくださいな٩( ᐛ )و ⬇︎二人の膝掛け台本です(*´∀｀*) ゆい🌳 https://nana-music.com/sounds/0695fd00 すー🐰 https://nana-music.com/sounds/0695fd50 #ありがとう #KOKIA #ToshiR伴奏 #膝掛けとの思い出