失敗作少女
ネガティブマジカルガールズ
失敗作少女
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第1話 「6人の少女、5人の魔法少女」前編
⚠️このストーリーにはグロテスクな表現が含まれています。閲覧の際は、自己判断にてご覧下さい。
「やぁ、ニンゲンのみんな」
その言葉にきらりは意識を浮上させた。
きらりはいつの間にか不思議な空間にいた。目を開いているはずなのに何も見えない。光ひとつない暗闇。自分の手足も見えなくて、自分がいま立っているのか寝ているのかも分からない。怖い、怖い怖い怖い怖い怖い……ここはどこなの……!?!?
そうだ、そう、私は、確か──
「視覚的な情報が無いと混乱するなんて、ニンゲンって脆弱だね」
その言葉と共にぱっと視界が開けた。真っ白な何も無い部屋。見回すと自分と同じくらいの年代の少女が他に5人立ちすくんでいた。みんな同じように状況が把握出来ないのか不安げにお互いを顔を見合わせる。
「部屋をイメージした空間を作り出したよ。これで落ち着いたかな」
先程の声がまた響く。幾つもの声が重なり、ひび割れ、ハウリングするような精神を逆撫でする声。
声のする方を振り返るとそこには奇妙な生き物がちょこんと座っていた。大きな角と翼を生やした不気味な毛むくじゃらの生き物だ。
「ボクの姿もニンゲンが親愛の情を感じやすい姿をイメージして作ってみた。ニンゲンは毛が沢山生えた二頭身の小さな生き物が好きなんだよね」
「……」
「……反応がないけど聞こえないのかな。もしかして調整が必要?ニンゲンは受容できる情報が少ないね」
あーあーと奇妙な生物はまた雑音を出し、しばらくすると幼い少女のような声に変化する。
「これでいいか。さて──オマエらには魔法少女になってもらうよ」
「……へ?」
突然の言葉にきらりの口から気の抜けた声が零れた。すると隣に立っていた気の強そうな黒髪の少女が不機嫌そうに答える。
「何だテメェ、頭イカれてんのか?」
「常識的な範囲での話かという意図の質問なら答えはノーだ。ボクがこれから話す内容はオマエたちの一般常識からはかけ離れている話だからね」
少女の声で生物は機械的に答える。淡々とした声には罵声を浴びた怒りどころか感情が感じられない。
「ボクは異世界から来た。ボクの名前なニンゲンには発音できないから、リトルリトルとでも呼んでくれるといいよ。ボクがこの世界に来たのは、ボクらの世界からこの世界へ来てしまった『逃亡者』を追ってきたからだ」
「……と、逃亡者って何?」
「彼らはボクと同じでニンゲンが名前を呼ぶことが出来ないから『ネームレス』とでも呼ぼう。ボクらは意識だけこの世界に来るのは良いけど、本体までこちらに移動するのはご法度なんだ。時空を歪めてこの世界を壊してしまうからね」
金髪の少女の問いかけにリトルリトルは続ける。
「生命エネルギーに溢れたこの世界を壊されたら困るからネームレスは破壊しないといけない。でも、ボクらはこの世界に意識しか持って来れない。だから実体のあるニンゲンに戦って貰うことにしたんだ」
「……つまり、貴方たちの仲間の後始末に私たちを利用したいってことかしら」
「た、た……戦う……?なんて、そんな、怖いです……」
青い髪の少女が顔を不機嫌に吐き捨てると、びくりと緑の髪の少女が肩を震わせて呟く。
きらりも口には出さないが嫌だなと思う。そんないきなり荒唐無稽なことを言われても──
「オマエら勘違いしていない?これは『お願い』じゃなくて既に『事前説明』の段階だよ。もうオマエらがネームレスと戦うのは決定事項だ」
「はぁ?意味わかんないんだけどぉ……?」
「チッ、何でお前みたいなキモチワリィ奴に命令されなきゃなんねーんだよ!ぶっ飛ばされてぇのか!」
リトルリトルの言葉に紫の髪の少女が顔を歪め、黒髪の少女が再度怒りをあらわにする。そして、黒髪の少女はそのままリトルリトルに近寄り足を振り上げた。小さな生物はきっと蹴り飛ばされて壁に叩きつけられるだろう。きらりが思わず息を飲んだその時。
「──仕方ない。オマエは『処分』だね」
パンッと軽い音がして。
目の前の少女の頭から赤い華が飛び散った。
「きゃあああああああああああああああ!!!!」
その悲鳴はきらりのものだったか、他の少女のものだったか──どちらにしろ、きらりたちの悪夢はここから幕を開けたのだった。
××××××××××××
❤️桃園きらり(cv.瑠莉)
💛浅黄うらら(cv.うにの子)
💚翠川ほのか(cv.蓬)
💙藍原あさひ(cv.唄見つきの)
💜紫京あいら(cv.ここあ)
💔=全員
💛あぁ ほら また間違えた
これで何度? 何回目?
💜ねえ ほら 塞いでたって
ぽっかり浮き出る傷跡
💚あぁ ほら また誤魔化した
見て見ぬ振り お上手ね
💙もう ほら 何言われたって
誰もわたしを望まない
❤️むき出して痛い痛い
強がって 痛い痛い
息詰まって痛い痛いんだよ
💔わたしって失敗作だってさ
って いらない子なんだって…
何やったって 頑張ったって ダメらしいや
愛 愛 愛されたくて 偽って
もっともっと笑顔で いればいいかな…
××××××××××××
♡伴奏♡かいりきベア様、MARETU様
公式piaproより引用
https://piapro.jp/kairikibear
♡タグ♡
#桃園きらり #浅黄うらら #翠川ほのか #藍原あさひ #紫京あいら
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