第5話「心からの応援を」
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第5話「心からの応援を」
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桃色の花が新緑の葉に変わり、だんだんと暖かい日が増えてきた4月下旬。
Twinkler+TwinsはMV撮影のため、廃校になった高校に訪れていた。
メンバーたちは数年前まで高校生だったわけだが、制服を着て高校にいる、という事実に気分が高揚していた。
🐈「衣装で何回か着たことあるけどさ、やっぱ場所がちゃんと学校だと気分が全然違うよね!!ホントの意味で学生に戻った気分〜」
🐕「はいはい気持ちはとってもよく分かったから落ち着いて!」
💍「あたしたちの高校ブレザーだったから超新鮮〜!!ねね、お姉ちゃん!まだあたし高校生で行けるかな???」
🛍️「何言ってるの、まだ全然行けるわよ!…ただ、レイナ。ちょっとはしゃぎすぎじゃないかしら?」
特にモモとレイナは分かりやすくはしゃいでいて、それぞれ片割れに軽い注意を受け、項垂れた。
_____今回制作されるMVで流れる曲は、レジェンドアイドル候補に選ばれたアイドルグループを対象とした投票計画によってテーマが決められたもので、Twinkler+Twinsは「青春」「励まし」などの明るいワードがテーマとして選ばれた。
Twinkler+Twinsのファン層はかなり幅広く、老若男女に人気がある。
その辺りを加味しつつ、投票されたテーマを組み合わせた結果、どんな人にも刺さるであろう所謂応援ソング系の曲を収録することに決定した。
曲自体は老若男女向けだが、投票されたテーマに青春などの学生を思わせるワードがあったため、撮影場所も衣装も学生らしさが出るものにすることとなったのだった。
🍰「ミユちゃん、ここのシーンの確認してもいい?」
🍮「うん!ちょうど私も最終調整したいと思ってたし」
撮影準備が整うまで、リカとミユはMV中にある演技シーンの確認をし始めた。
🍮「もちろんMVでは聞こえないけど、ここの声のトーンこれでいいと思う?雰囲気に合わないトーンだと映像だけでも分かっちゃう気がして」
🍰「確かに…。でも、この部分って監督さんの強い希望だったよね?」
🍮「え?あ、そっか、このシーンだったのか…。ちょっと声聞こえにくくて別の場所だと思っちゃってた。ありがとう、監督に聞いてみる」
無事に解決しそうになったところで、準備完了の合図が聞こえた。
ふたりは慌てて台本を手に現場へと走った。
*
そして、5月下旬。
店頭に並んだCD、配信されたMV動画などは圧倒的な再生数を上げ、レジェンドアイドルはほぼ確定なのでは、というニュースも流れた。
繊細な部分まで気持ちを込めた応援ソングは人々の胸に刺さり、確かにその背中を押したのだった。
Next→Twinkler+Twins's sound
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