【一人用声劇台本/男1】そんな、夏
のん暢
【一人用声劇台本/男1】そんな、夏
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「春過ぎて夏来きにけらし白妙の
衣干すてふ天の香具山」持統天皇
この歌からインスピレーションを得て作った話です
【曲】夏に生まれて
【作曲】みわたかさん
#ひとり声劇 #声劇 #お題
ーーーーここからーーーー
クラス替えからもう2ヶ月
春らしい暖かさから
いつの間にか少し汗ばむ季節がやって来た
いつも窓際で佇むあの娘に
僕はまだ声をかけられずにいる
彼女の周りには
休み時間に時々友達がやって来る
でも彼女は他の子たちとは違い
大笑いすることはなく
握った手を口元にやって
目を細めてクスクスと笑うのだ
その姿に少し大人っぽさを感じ
僕はドキッとする
6月、半袖に変わった制服
口元にやる彼女の手は
その白い袖からスラリと伸びる
その袖口の白さに感じる神秘を
ひた隠しにして
そっと窓の外の緑に視線を移す
山の緑
彼女の白
何かが起こりそうな、夏
ーーーーここまでーーーー
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