【AQUARIUM】The End
BGM:猫猫権左衛門/【AQUARIUM】
【AQUARIUM】The End
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ブラックゴーストはその後取り調べを受け、水族館に戻った。
管理者の居なくなった水族館へ。
館長室の扉をノックする。
当然、いつもの間延びした返事は帰ってこなかった。
机の上には副館長が残したと言っていた指示書と封筒が置かれていた。
指示書にはあの二人が居なくなった後の対処法が事細かに書かれており、書いてあった通り二人の上司と思われる半人種に電話をかける。
副館長が作ったシナリオ通りの事情を話せば、電話の向こうの男は「そうか」と一言呟く。
男から端末を使い暫く休館の報せを出すようにと指示を貰い、その通りに動いた。
一通り終えると、封筒を持ち館内を散策する。
大水槽前に着くと近くの椅子に腰をかけた。
きっとこの封筒は、自分が見てはいけないものなんだろう。
館長か、副館長どちらかがどちらかの為に書いたものなのだろう。
それならば自分にこの封筒を開ける資格なんてない。
自分だけじゃない。
誰も、この封筒を開けるなんてことしてはいけない。
怖い話は好き。人の怖がる顔も好き。
でも、
こんな後味の悪いエンディングなんて求めてない。
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「ねぇロックス。一緒に逃げちゃおっか。」
片割れから言われたのは思ってもみなかったこと。
「どうしたの〜アル、お仕事嫌になっちゃった〜?」
「………んーん、やっぱり何でもない。忘れて。」
「えぇ…そんなこと言われたら気になるじゃん。」
「ほら!追加の書類、ちゃんとやっといてね!!」
そう言うと片割れは部屋から出てった。
あぁ、そっか。
アル、気づいてあげられなくてごめんね。
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ハルパちゃんには悪いことしちゃったな。
でも、ごめんね。
"僕"にはもうロックスしかいないんだ。
ごめんね。
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あれから数ヶ月が経った。
水族館は閉館。
抗議はしたけれどただの従業員の言葉じゃ聞く耳すら持ってくれなかった。
二人はまだ見つかっていないらしい。
封筒はまだ、自宅の鍵付きのテーブルにしまってある。
二人がいつか、取りに来るのを信じて。
𓆝𓆟𓆜𓆞𓆝𓆟𓆜𓆞𓆝𓆟𓆜𓆞
ED××
『双子館長の餌場』
#bgm #BGM #双子館長の餌場
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