【2人声劇用台本】怪異探偵、御盥環の剣呑 〜送り犬・起〜
御盥環: 蜂屋椿: BGM:わか様
【2人声劇用台本】怪異探偵、御盥環の剣呑 〜送り犬・起〜
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「ここに困り事を持ってくることに関して、
君の右に出るものはいない。……褒めてないよ。」
〜諸注意〜
✰︎BGMに素敵なサウンドをお借りしています。
必ずそちらに拍手・コメントをお願いします。
✰︎一人称や性別の変更、アドリブ、一向に構いません。
「削っちゃまずいかな?」◀︎気にしないで削っていいです!
面白いもの大好き!むしろドンと来て下さい!!!!
✰︎キャプションの貼り付けもご自由に!
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【あらすじ】
大通りから一本路地へ入った先の、古びたビル。
その三階には「御盥探偵事務所」の看板がある。
人の寄り付かないこの事務所には、
浮世離れした一人の男が常駐していた。
デスクで皿の上のプリンをスプーンでつつきながら、
気怠げに眉間に皺を寄せる男こそ、探偵・御盥 環だ。
寂れたビルの階段をコツコツと忙しなく叩く音が
響いてくると、御盥はキツく目を閉じた。
彼の剣呑の原因が、今日も事務所のドアをノックする。
✧̣̥̇人物設定✧̣̥̇
◾︎御盥 環(みたらい たまき)
御盥探偵事務所の所長にして唯一の所員。
商魂は無いに等しく、客の来ない現状に関心が無い。
どのようにして運営が成り立っているのか不明。
黒髪で、鋭く切れ長な吊り目の男。年齢不詳。
正体は天狐であり、怪異の理の環から外れたモノたちを
元の道へ還すために、平時は探偵という形をとっている。
好きなものはプリン。皿に移していない状態のプリンにはあまり興味が無い。
◽︎蜂屋 椿(はちや つばき)
24歳の女性記者。ショートカットで眼鏡のお人好し。
生粋のトラブルダイバーで、御盥の憂鬱の種でもある。
怪異の理を外れた猫又に憑かれていたところを
御盥に救われて以来、すっかり懐いた。
御盥の生業を「怪異関連の困り事を解決する慈善活動」だと勘違いしている節がある。
事ある毎に怪異関連の問題事を御盥の元へ依頼として斡旋してくる。
明るく前向きで人の為に苦労することを厭わない。
✎︎____________
◽︎「ね、助けてあげましょうよ!」
◾︎「助ける、なんて宣(のたま)っているところを見ると、
君は僕のやっていることの趣旨が、
まだ理解出来ていないようだね。」
◽︎「別に理解してないわけじゃありませんけど……わかるでしょう?」
◾︎「君のその、手当り次第蜂の巣を突っついて歩かないと気が済まない所は、理解出来ないな。」
◽︎「突っついた蜂の巣に蜂がいるかも、その蜂が刺すかも、
まだわかんないじゃないですか。」
◾︎「全く、末恐ろしいな君は。
一度刺された方がいいんじゃないか。」
◽︎「刺されたことがお有りですか?」
◾︎「大有りだ。主に、君のお守(も)りが原因でね。
それで、具体的には僕に何をして欲しいんだ。」
◽︎「よしきた!御盥さんも大概、蜂に刺されたい人ですよねえ。」
◾︎「御託はいい、要件をまとめて話せ。」
◽︎「はいはい。依頼人は櫻井十和子(さくらいとわこ)さん。
6歳の頃からずっと、外を歩く度に
後ろを着いて歩く足音が聞こえていたそうです。
12年もですよ?四足(よつあし)の生き物の足音で、
家の前まで来ると、決まってピタリと止むんですって。」
◾︎「なるほど、思い当たる怪異が一ついる。
───送り犬だ。」
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