さよならだけが人生か
傘村トータ
さよならだけが人生か
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𓂃𓂃𓂃𓊝𓄹𓄺𓂃𓂃𓂃𓂃𓊝𓄹𓄺𓂃𓂃𓂃𓂃𓊝𓄹𓄺𓂃𓂃𓂃
海を渡り、世界を渡り、時を渡る。
この扉の先は…?
-コウカイ-
#航海
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🎰♂パトリック・カサーリ
愛称はパット。カジノ経営者。家族が経営していたのを引き継いだ。願いを叶えるという船に突然乗り込んだ。
🧩エンディカ
マーキュリィ号の船員。お望み聞きますよ、が口癖。声が綺麗。
🍭リュボフ
マーキュリィ号の船員。甘いものが好き。早く話して、と急かすように聞いてくる
[story]
眩しい太陽を睨んで辺りを見渡すと見覚えのある風景。大きいビルやいつも路地でタバコを吸っている人。街の少しはずれに昼間から光る賭場。
そんな感傷に浸っているとリュボフさんが声をかけてきた。
「ほら、ぼーっとしてないで行くよ、時間過ぎちゃう。」僕達は駆け足でカジノポリッジへ向かった。
僕たちはポリッジの裏口から入りホールへ出た。
「わーーおっきいでっかい!きらきら!」リュボフさんは大興奮。エンディカさんはルーレットが気になるみたいで何回も球を入れないで回してる。
『球を入れて回すと数字のところに入るんですよ。その入るところを当てるゲームです。』
なるほど、とエンディカさんは球をスピンさせ何回も回した。父はこの辺にいるはずなのだが今日はいないらしい。早くあって聞きたいことがあったのに。
「言い忘れてたけどぉ〜過去の自分にあっちゃダメだよ〜ややこしくなっちゃう」それをいうとリュボフさんはすぐに店内の奥へ行った。
僕は父さんを探さないと。普段父さんはここで掃除してるけど、いないなら外でタバコを吸ってるはず。見た感じ荒れる直前のお店だから聞くには良いタイミングなのか。と色んな考えを巡らせて早足で外へ出た。すると外でタバコをふかして空を眺めてる父の姿が見えた。
『父さん』と声をかけると一瞬驚いた顔をしたがすぐ笑顔になって「パット」と優しい声で呼んだ。その時僕は泣きそうになった。
父さんに近づいて『僕聞きたいことがあるんだ。ポリッジのこと。』と言った。
「そうだな、話さなくちゃならない。」と父さんはタバコを吸うのをやめて階段に座った。
『どうしてポリッジは潰れかけてるの?どうして悪い奴らからお金を奪われなきゃいけないの!?アイツらが悪いのに!』感情が昂り大声で言ってしまった。まぁ、落ち着け。と父さんに言われ隣に座った。
『そうだな、どこから話せば良いのだろうか。』
父さんは全てではないがどうしてこの状況になってるのか教えてくれた。1つはポリッジを良くするために他業と協力していたらしい。しかし1番勢いがあったポリッジからお金を巻き上げるために仕組まれていた。しかしこのようなことで潰れるほどではない。けれどもう1つの理由でポリッジが変わった。元々この土地が借地だったらしく地主が売上が伸びてることをいいことに貸してるのだから6割はくれないと割に合わない。と言い出したそうだ。父さんはそんなんだったら土地を買うと言ったらしくそこでお金を使ったらしい。そして従業員もギリギリなほどまで解雇し保っていたらしい。
父さんは優しい。母さんと作ったポリッジを守ろうとしたこと。僕に悟られないように話さなかったこと。いや、知ろうとしなかっただけ。僕の悪いところ。
『愛しているよ、父さん。ずっと、ずっと…。』
「私も愛しているよパッド。最愛の息子よ。」
他にも聞きたいことがあったが満足してしまって2人と合流してしまった。
「心残りがありますか?」
『そう、ですね…ないと言ったら嘘になりますが聞けてよかったこともあるので気にしてません。』
「なら良かったです。そろそろいかないと。」
「「この度はご乗船ありがとうございました。気をつけてお帰りください。」」
ギィと扉を開きながら2人は言った。
体が吸い寄せられるように足が進んで先が見えない扉を通り、いつの間にか家にいた。あれはなんだったのだろうか。2人はどこへ行ったのだろうか。そんなことを考えていたら数日が過ぎた。
『よし、頑張るぞ!行ってきます。父さん母さん。』
[lyric]
🎰:やりたいこと
もっといっぱいあるはずなのに
もう何も叶わないのは
なんでなんだろう
🧩:さよならだけが人生だとか
🍭:いつか離れる手と手だとか
All :みんなみんな嘘だと知った
🎰:ちっとも消えてくれないじゃない
All:どうしたら
幸せになれるでしょう
🧩🍭:Ah 幸せにできるでしょう
🧩🎰:あなたが側に居ても居なくても
🍭🎰:あなたを探して町を駆ける
🎰:私をどうか覚えていてね
#航海_コウカイ
#輝石projects
#さよならだけが人生か
#傘村トータ
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