彼と彼女のバレンタイン・〜第9章〜
BGM・清水はこべ(箱):綴り手・香魚
彼と彼女のバレンタイン・〜第9章〜
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🍫第8章はこちら🍫
https://nana-music.com/sounds/06862529
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今日は彼が彼女の実家に来る日。
いつも以上に賑やかです。
「ほら、父さんも床屋に行ってきて!」
「なんでわざわざ…この寒いのに…」
「会社の方に失礼がないようにしなくちゃならないでしょ?」
「肝心の娘が部屋着なんだからそこまで気を遣うことはないだろう?お前、俺と出かける時より随分綺麗にしているじゃないか。癪に触るな」
「あら、父さん、ヤキモチ妬いてるの?」
「そ、そんなんじゃない!娘の仕事に親が口出しする事じゃないだろと言いたいんだ!」
(仲がいいんだか悪いんだか。でも、私、こんな格好でいいのかな…通販もお正月休みで、新しい部屋着がまだ来ないし…)
彼女は髪の毛をシュシュでまとめ、薄くメイクをしていましたが、歩きやすくするためとはいえ、ヨレヨレの部屋着姿でいるのが悲しいのです。
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程なくして、彼女の家のチャイムが鳴りました。
彼女は慌てて涙を拭い、鏡に自分の姿を映して、精一杯の笑顔をつくりました。
「はーい!今行きますよー!」
「あ、はじめまして。よろしくお願いします」
「寒かったでしょ?どうぞ上がってくださいな」
「失礼します。これ、よかったら」
「まあ!ご丁寧にありがとうございます」
(お母さん、声が2オクターブ高いよ…)
彼女は、久しぶりに聴く彼の優しい声にドキドキしながらも、いつもと違う母親の声に笑いがとまらなくなっていました。
「入るわよー」
「う、うん!」
彼女の部屋の扉を、母親が開けました。
久しぶりに彼と逢えた嬉しさで、彼女は涙をこらえています。
「どうぞごゆっくり。今、お茶入れますから」
「ありがとうございます」
母親はいそいそと彼女の部屋を出て行きました。
「遠いところ、あ、ありがとう」
「ずっと心配だったよ。その後、どう?」
「階段がきついの。あと、雪道怖い。仕事復帰できるかなあ」
「できるように、今日来たんだから。心配しないで」
「うん…」
「お茶持ってきたわよ」
母親が再び入ってきました。
「このお菓子頂いたのよ。お茶のおかわり、水筒に入れたから。お客様には失礼だけど」
「お気遣いなく。彼女の回復が第一ですから」
「ありがとうございます。ごゆっくり」
母親が出て行ったあと、彼女は泣き出しました。
「逢いたかった」
彼は、彼女の頭を優しく撫でました。
「逢いたかったよ。ずっと心配してた」
〜第10章はこちら〜
https://nana-music.com/sounds/0689c060
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🍫音楽(作曲・DTM):清水はこべ(箱)🍫
(オリジナル曲『ナイフと粉砂糖』)
https://nana-music.com/sounds/06809a3c
🍫この作品のコラボについてのお願いです🍫
https://nana-music.com/sounds/0680b417
🍫二次創作用・空コラボ用音源はこちら🍫
https://nana-music.com/sounds/0680b417
🍫彼と彼女のバレンタイン・プレイリスト🍫
https://nana-music.com/playlists/3946366
#オリジナル #箱のおりじなる #箱のいんすと
#箱ちゃんに感謝
#香魚が綴る物語
#彼と彼女のバレンタイン
バレンタイン完結予定がホワイトデー過ぎちゃいました(土下座)
脳内では完成しているのですが、ギャグ少年漫画脳なので、文章化が…汗
(少女漫画や恋愛小説、ドラマ映画すら観てない)
引き続きゆるゆると見守ってください。
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