初めて死のうとした日
喙
初めて死のうとした日
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教室に居た。専門でも高校でも中学でもない。
何処か知らない教室だった。
プリントの捲る音。ペンを走らせる音。
他愛もない会話で盛り上がる奴等。
スマホをずっと見てる人。
僕はボーっとしていた。
夢から覚める時に、
「何してんの?」
と、よく聞いたことのある声で
話しかけられた気がした。
紛れもなく自分の声だった。
煩いなぁ、もう疲れてんだよ。
「このまま、眠りにつきたかったのに。」
と、一人呟いた。
壁にぶつかった声は、1人で過ごすには広すぎて、
誰かと居るには狭すぎることを
十分すぎる程に理解させた。
「感情1つ消せるのなら、僕は寂しいを消すかな。」
【初めて死のうとした日】
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