【特別SS】新しい胸の高鳴りと
はぴらび!
【特別SS】新しい胸の高鳴りと
- 17
- 6
- 0
【特別SS】🪐小住まきな
特別SSではアイドルたちの
いつもと少し違う一面をお届けします♪
✼••┈┈••✼••┈┈••✼
大手機械メーカー小住グループの本社の一室。
パソコンの前でディスプレイとにらめっこしていたまきなはデータを送信すると、ヘッドホンを外してぐうっと伸びをした。
「……ふぅ」
しばらくすると『早急にライブの分析ありがとうございます。流石ですね。参考にさせて頂きます』とローズから返信が届いた。相変わらず返信が早い。
恐らくさっき送ったデータは明日のミーティングで反省会の資料となるのだろう。ただ、一筋縄ではいかないクラスメイトたちによって何故かDVD鑑賞会に巻き込まれたりパジャマパーティをすることになったりと謎の結論になってしまうことも多いのだが。今回の反省会も多分ローズの思う通りにはいかないだろう。
するとそこにコール音が鳴った。まきなは物思いから思考を浮上させて、通話ボタンを押す。
「誰?」
『社長がお帰りです』
「うわ、お父さん……」
いつもは表情をほとんど変えないまきながまるで苦いものを食べたようななんとも言えない顔をして、さっさと椅子から立ち上がる。そして部屋から逃げ出そうとした瞬間、部屋のドアが開く音がした。
「社長、どうぞ」
「ありがとう。君はもう下がっていいよ」
社員が開いたドアから入ってきたのは、背が高く精悍な顔つきの男性だった。まきなとそっくりな──いや正確にはまきながそっくりなのだが──金色の瞳は隙の無い知性を感じさせる。実年齢よりも若々しく覇気を感じさせるオーラに案内役の社員はすっかり萎縮してしまってぺこぺこと頭を下げて去っていく。
彼こそが小住グループの社長でありまきなの父親でもある小住英知(えいち)である。
「さて……」
英知は威厳たっぷりにまきなを振り返ると。
「まきなぁ~!元気にしてたかぁ?パパはまきなに会えなくてさみしかったぞぉ~!!!」
顔面をデレデレと崩してまきなを抱きしめた。
「……問題ない。体調面に特に懸念はない」
「そんなこと言ってまきなはすぐ機械に夢中になってご飯を抜くからなぁ~パパは心配だよ!お兄ちゃんも心配してたぞぉ~!」
まきなは腕の中でうごうごと抜け出そうと抵抗したが小柄なまきなに大柄な父のハグを抜け出すのは至難の技である。すぐに無理だと結論付けてそのままされるがままになった。ハグというより抱っこに近い体勢のまま、まきなのつま先がぷらぷらと揺れる。
「大丈夫。ちゃんと食べている」
なぜなら今のまきなの周りには口うるさいクラスメイトがとにかく多いのだ。きちんと三食食べないとローズに叱られるし、少しでも体調が悪そうな素振りを見せるとアリスや菜々乃が騒ぎ出し、朝食を抜いたと言えば鈴々が何かを食べさせようとしてくる。
……と言うようなことを説明すると、英知はぱっと笑顔を浮かべてこう言った。
「もうお友達ができたのか!良かったなぁ!」
「……ともだち?」
「まきなのことを心配してくれたり一緒にご飯を食べてくれるんだろう?それはお友達じゃないか?」
まきなにとって「学校のお友達」というのは幼稚で退屈なものだ。まきな自身もあまり感情を表に出すのが得意では無いため、クラスメイトには遠巻きにされやすかった。そのせいで学校に行かず、自分の部屋で機械をいじっていた時期もあったくらいだ。
……でも確かに、最近は学校に行くときに少し胸が踊るような感じがする。ような気がする。
「……うん。多分、楽しい、かも」
それはいつもはっきりと話すまきなにしては歯切れの悪い答えだったけれど、英知は娘の答えに嬉しそうに笑ったのだった。
••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
まきなちゃんの今までの活躍は…
⬇このプレイリストでイッキ読み!⬇
https://nana-music.com/playlists/3920735
❁特別 SS一覧❁︎
https://nana-music.com/playlists/3881929
❁素敵な伴奏ありがとうございます❁︎
スヤ様
https://nana-music.com/sounds/05617111
❁tag❁︎
#BGM #スヤ #スヤの音楽 #DTM #フリーBGM #オリジナル #オリジナル曲
#はぴらび #小住まきな
Comment
No Comments Yet.