#勿怪面妖奇譚
话中有话07/シャンティ
鳥が鳴く。汚らしい声だと、御影は息を吐いた。
灰皿には数十本余りの吸殻が捨てられているにも関わらず、御影は新たな煙草に火をつける。
この窓から見下す景色は、俗に言う幻想的な夜景だ。
そんなものに価値はない。だが、今の地位を築けたこの街には感謝している。御影にとってこの街は、自身の欲を満たすものでしかないのだ。
「あァ、見つけた」
髪を揺らし歩く三人の妖。つけられた面のことはよく知っている。間違いない、今回の食材だ。
御影は煙草を揉み消し、足元で眠る獣を蹴飛ばす。
「屑共、いつまで寝るつもりだ」
「モゥしわケ ゴザい マ せン」
四足歩行の獣は口を開き、下手な発音で言葉を口にした。つけられた鈴が鳴る。体に巻き付けられた包帯に描かれた瞳が、控えめに目を伏せた。
「謝罪はいい。さっさと戻れ」
「ギゃウッ」
御影に踏みつけられたその瞬間、獣は一枚の札へと変化した。
「人間共は全員、俺の物だ」
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ㅤ ㅤ Voice actor
御影🚬あじのもと
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