声劇台本 『9%』
台本/ぎっとん 読み手/
声劇台本 『9%』
- 26
- 1
- 0
以下台本
------------------------------------
毎日同じような1日を過ごしていると
迷子になった寂しいの感情が隣に立っている時がある
今日は昼過ぎに仕事を終えて、帰って、シャワーを浴びて
ストレッチをした。
1人でゲームをしていると不意に袖を引っ張ってきた
耐えられる程度の孤独感
僕はこの『寂しい』の置き場を探しに、コンビニにお酒を買いに行った
ガラスの奥に並んでいるツヤツヤと濡れて光る缶の中に
僕の寂しいはちょうど入りそうだったので一本買って帰った
半分ほど飲んだところで気持ち悪くなった
お酒はもともとそんなに好きじゃない
でもせっかく見つけた入れ物だったので
さみしさを入れるために全部飲んだ
さっきまで缶に収まりそうだった感情は
お酒を吸って少し膨らんでいて、缶の中には入らなかった
しょうがないので一緒の布団で眠った
僕の寂しいは、いつもよりもちょっとだけ湿っていた。
…………………………………………………
おわり
Comment
No Comments Yet.