【1人用声劇台本】白の黎明
読み手:あなた BGM:四ノ宮りゐ様
【1人用声劇台本】白の黎明
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窓を開けるのが、怖かった。
〜諸注意〜
✰︎BGMに素敵なサウンドをお借りしています。
必ずそちらに拍手・コメントをお願いします。
✰︎一人称や性別の変更、細かい口調の変更、アドリブ……
一向に構いません。
長ければ雰囲気を壊さない程度のカットも大丈夫です。
是非あなたの手で、完成させてください。
✎︎____________
触れたら消えてしまうような、
儚いものだと思っていた。
世界に優しく降り注ぐ、天使の羽。
見た目とは裏腹に終末をたっぷり含んでいて、
地面に重なればどっしりと重い。
美しさに釣られて空を見上げた人は、
凍てつく空気を肺に吸い込んで凍り付いてしまった。
肌を刺す冷たさを想像して、カーテンを閉める。
静寂を震わす吠え声に振り返ると、
温かな体で首を傾げる姿があった。
「ここにいれば安全だよ、グレイル。」
名前を呼ばれて嬉しそうに尾を振る彼が、
僕の今生最後の友だ。
ノイズしか拾わなくなったラジオは
とうの昔に捨ててしまった。
もう二度と鳴らないことが怖くて、
電話も捨ててしまった。
僕は最後の薪を丁寧に暖炉に滑り込ませる。
僕とグレイルの世界は、この部屋だけ。
「グレイル、きっともうすぐ、夜が明ける。
……ふふ、心配要らないよ。ここは安全だってば。」
息が白い。僕らは身を寄せ合う。
「大丈夫だよ。……今はまだ。」
____________❅*
【蛇足】
雪害、なんて言葉が度々使われるような地域に住んでいます。
ウィンタースポーツも盛んですが、
運動音痴の私はただただ不便に感じてしまいます。
しかし冬の夜というのは、
それはそれは空気が透き通っているものです。
黎明にかけて晴れる程に、放射冷却で気温が下がります。
人工物に降りる霜の柱や氷の模様の繊細さは、
じっくり魅入ってしまう程に美しいのです。
息を吸うだけで肺の奥まで冷気で満たされてすっとします。
この台本を読むにあたってそんな世界をちょっと想像してみてほしい。
想像した上で言いますが、
まじで地獄だぞ。
#四ノ宮りゐオリジナル
Comment
3commnets
- サタンコラボ失礼しました。この寒い時期にぴったりな、儚いけどキレイでとても素敵な台本でした。ありがとうございました!!m(_ _)m
- ウタカカヲルまおりさん✨️早速読ませて頂きました✨️素敵な台本ありがとうございました(*^^*)
- いーと🍴vo.じんのすけ読ませていただきましたー!