長者が平①(ちょうじゃがなる)
日本昔話①
長者が平①(ちょうじゃがなる)
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あらすじ
昔々、愛媛松山城山の東の麓に貧乏な男が住んでおった。男は何とか大金持ちになってみたいと思い、湯山横谷の毘沙門天に毎夜通って百日の夜中参りをした。すると満願の夜、毘沙門天様が現れ「金持ちにしてやる。」といって消えたそうな。
次の日の朝、男はいつものように街へ野菜を売りに出かけた。すると恐ろしいほどの売れ行きで、野菜はおろか、天秤棒や笊、男の着物までもがあっという間に売れてしもうた。
それからはやることなすこと全て上手くいき、まるで水が流れ込むように金が流れ込み、男はあっという間にこの辺り一番の大金持ちになった。大きな屋敷に大勢の使用人、たくさんのご馳走にふかふかの布団と、まるで大名のような暮らしぶりじゃった。
その後も金は金を呼び、日に日に蔵が増え屋敷は大きくなっていった。屋敷が広すぎて、男は家の中で迷ってしまうこともある位じゃった。一方で、やらなければならない仕事も増え、また色々なもめごと等も持ち込まれるようになり、男はだんだん不機嫌になっていった。
「金持ちになったら楽が出来ると思っていたのに……。」男は金持ちの暮らしが嫌になり、ある晩また毘沙門天様の所にお願いに出かけた。「毘沙門天様、どうか私を元の貧乏人に戻して下さい。」すると毘沙門天様は元に戻る方法を教えてくれたそうじゃ。それは、一升枡を池で洗い、それを伏せて、枡の底を叩くというものじゃった。
男が言われた通りにすると、枡の底を叩くたび蔵が一つ消え二つ消え、終いには屋敷まで消えて、きれいさっぱり全部なくなってしまったそうな。男は、自分には貧しくとも気楽な暮らしの方が性に合っていると気づき、その後も食うや食わずのひどい暮らしじゃったが、のんびりと気楽に暮らしたそうな。
今でもこの男の屋敷があった辺りを長者ヶ平(ちょうじゃがなる)と呼ぶそうじゃ。
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4commnets
- こうじ
- kamisaka 🌿
- こうじ
- くう🦆こうじさん、あけましておめでとうございます。お元気そうで何よりです(*´ω`*) ぼちぼち歌っていきますので、今年もよろしくお願いします。