第5話「輝きへのチケット」
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第5話「輝きへのチケット」
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No side
____Twinkler+Twins 主催ライブ当日。
星のような輝きが散りばめられたステージを前に、続々と観客たちが席につき始めていた。
ひとりドキドキしながら待つ者、一緒に来た友人と興奮冷めやらぬ様子で話す者などさまざまだが、彼らの心は同じようにライブの開演を待ち望んでいた。
緊張と期待に包まれているステージの裏では、同じような感情を抱いたアイドルたちが開演を待っていた。
🛍「___それでは、本日はどうぞよろしくお願い致します」
丁寧にお辞儀をして楽屋を出て、メンバーたちは自分たちの楽屋に戻った。
🐈「ふー、挨拶回り終わったね。みんな優しそうでよかったぁ」
🍮「そうだね…見知った方が好きならまだしも、はじめましての方もいらっしゃったから緊張したね」
Twinkler+Twinsは、自分たちの主催ライブに招待したアイドルたちの楽屋をひとつひとつ訪れて挨拶回りをしていた。
彼女たちと共演経験の多いアイドルグループや、プロデューサーのすすめで招待したアイドルグループが出演することが決まっており、今日のライブには各アイドルグループのファンも多く参加している。
Twinkler+Twinsは主催グループであるため、挨拶回り以外にもやることが多く、開演1時間前になってやっと楽屋に戻ってくることができた。
やることが多い分、ある程度早めに準備は終わっているものの、確認などが満足に済んだとはいいがたい状態であった。
🛍「時間ないけど、ギリギリまで最終確認を怠らないようにね!特にレイナとモモ!」
💍「うん!!念入りに確認します!!」
🐈「はぁい、いつもごめん〜!」
名指しされたレイナとモモは苦い笑みを浮かべて応えた。
ふたりは確認後に抜けが見つかったり、ギリギリで未確認事項が発見されたりすることが多く、よく注意されている。
いつもであればカバー可能な部分も、今回は難しい可能性が高いため、Twinkler+Twinsのメンバーたちはより緊張感を持って最終確認を行なった。
*
開演時刻を少し過ぎた頃。
今回のためにアレンジされたTwinkler+TwinsのOvertureが流れ出し、観客が立ち上がる。
曲の終わりと同時にステージ上に全員が集まると、一気に照明が彼女たちを包む。
センターに立ったミレイとレイナは目を合わせ、同時に息を吸った。
🛍💍「Twinkler+Twins主催!"羽ばたきのトゥインクルライブ"へようこそ!!」
*
ライブは順調に進んでいき、いよいよ最後の曲となった。
Twinkler+Twinsは新しい衣装に身を包み、煌めくステージの裏で深呼吸を繰り返していた。
🛍「…緊張、するわね」
🍰「うん…トリってこんなに怖いんだね」
🍮「そうね…しかも今回は私たちが主催だしね…」
💍「わ、わ〜!!もうすぐ始まっちゃう!」
🐕「お、落ち着いてレイナちゃん!!!!!」
🐈「っわ、声おっきいよリリ」
緊張し過ぎていっぱいいっぱいなのか、メンバーたちはいつも以上に騒がしかった。
繋ぎ合う手は冷たく、小刻みに震えている。
ミレイはそれを感じ取り、ひとつ深呼吸をすると、口を開いた。
🛍「…みんな、聞いてほしい。どのアイドルさんも本当に素敵で、最高のライブだったと心から感じるわ。でも、私たちだって…私たちの輝きだって負けていないと思うの!いままでたくさん辛いこともあったし、逃げたいと思ったこともあった。だけど、それでもここまで走ってこられた。…それは、きっとこのメンバーでないとできなかったことよ。だから、自信を持って、気負わずに頑張りましょう!」
ミレイが緊張を隠しきれない表情のままメンバーに訴えかけると、皆少しずつ落ち着きを取り戻した。
🍰「…そう、だね。わたしたちだって、たくさん頑張ってきたんだもん…!」
🐕「うん!負けないくらい輝いてみせる!」
🐈「だねだね!えへへ、リリもそんなに自信満々だと、あたしも自然と自信満々になっちゃうよ」
🍮「ふふ、確かに。…私たちの最高の輝き、みなさんに届けよう」
💍「よーし!みんなでキラッキラに輝こうー!!」
Twinkler+Twinsの心がひとつになり、皆の瞳に覚悟の色が浮かぶ。
覚悟の色を宿した瞳を見て、ミレイはにかりと笑った。
🛍「さぁ、行きましょう。最高の輝きを魅せるために________!!」
Next→Twinkler+Twins's sound
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