狼煙

syudou

　　　　　　　　 🔥 　　　 #7民界隈三つ巴大戦争 #日ノ本独立防衛隊 　　　　　　 　　#狼煙 『　 　　　社会的弱者が地位を得る際、時には武力行使が必要になる。 悲しいけれどそれが現実なの。 とっても悲しいことね。 』 　　　　　 私は昔から弱い立場だった。 早くに両親を戦争で亡くして独りになった。 親戚の家に預けられたけれど気付いたら私は森の中に捨てられていた。 あの人が拾ってくれなかったら私は今頃土の栄養分になっていたと思う。 あの人を守りたくて地位を得るために軍人になった。 トシマに入った後、私はまた弱者になった。 “性別”というくだらないものが邪魔をした。 女性だから、女だから。 『きっと』弱いはず。 　　それが嫌で嫌で仕方なくて、上司が東部中心主義から離脱し、関西大和連合を立ち上げると聞いた時、率先して協力し、ひとつの部隊を貰った。 小さい部隊だったが、その分自由にできた。 そして私はあの頃バカにしてきた奴らに反抗するように女性だけの部隊を作ることを決めた。 弱者が強者になれる。 そのことを見せつけてやりたかった。 　　　 それだけの理由で 女性だけのマフィアのアジトを訪れ、 知識を使って機械修理を請け負っていた少女を路地裏で拾い、 暗殺業をしていた少女を助け、 腕のある軍医の彼女を引き抜いた。 ただ、それだけだった。 完璧な幹部が欲しかった。 完璧になるなら誰でもよかった。 軍人なんだから、余計な感情なんて抱えてはいけないはずだった。 誰かのヒーローになれればそれで良かった。 その通り彼女たちは私に心酔し、着いてきてくれた。 それで良かったはずなのに。 いつの間にか大切なものが増えすぎてしまった。 今でも野心は捨てきっていない。 それでも今は、彼女たちと笑いあった日々が、場所が、この部隊が愛おしくて仕方なくなってしまった。 1人でも、1人たりとも死なせてはならない。 私は狼谷月埜。 一人の軍人であり、大切な人を守るために戦地に身を投じた一人の人間。 そして、大切な彼女たちの命を背負うこの軍隊の隊長。 全ては、私が導く。導かなくてはならない。 愛する彼女たちのために。 私たちの本番は、これからだ。 　𝐍𝐞𝐱𝐭.　 開戦 　　　　　　nana-music.com/sounds/067db223 　　　　　　　　　　　　　　　　　　#Lupus_exercitus ※自身を奮い立たせ、覚悟を決めた女の歌→息継ぎ多い方が面白くね！？　という脳筋思考で息継ぎをあまり削っていません。