透明声彩
白雪まいの/YuNi
透明声彩
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透明な声はきっと、空っぽじゃない。
本日12月29日は12時過ぎの魔法使いの白き妖精、白雪まいのの誕生日です❄️✧︎*。
「白雪さんって、白雪姫みたいだよね!」
同じ委員会だった柚木陽暖は、一緒に本を片付けていたらそんなことを言い出した。
「名前に姫ってつけただけでしょ……」
陽暖の手には白雪姫の小説があった。
「白い肌に銀色の長い髪、透き通るような氷と同じ瞳の色。すっごく綺麗で羨ましい!それに落ち着いてるし私は憧れるなぁ…」
真っ直ぐな彼女の言葉は、まいのの凍りついた心をゆっくりと溶かしていくようだった。
「…私と関わったらみんな冷たいって離れていくの。だからあまり話さないようにしてるだけで落ち着いてるわけではない」
「うーん、だって私、忙しないでしょ?」
「……自覚あるんだ」
「ひどい!」
「……ほら、こういうの、だよ」
「冷たいかな?私は面白いと思うけど」
「……割と思ってること、言っちゃうし」
「それはかっこいいと思う!」
人懐っこい笑顔をキラキラとさせて陽暖オレンジ色の瞳はまいのを優しく見つめている。
ただ眩しくて、自分の中の奥深くで何かが熔けていくような感覚がした。
_だから、この太陽のような笑顔が、曇ってしまうのが許せなかったんだと思う。
ある日まいのは陽暖の瞳が何かを悟ったように暗くなるのを目の当たりにした。
いつも陽暖の隣にいた女の子が、集団で陽暖を笑っていた。
状況が分からなかった。
確かあの子は柚木さん助けられた子では…?
まいのは人に興味がなかったが、一際目立つ紫色の髪の可愛らしい少女の存在を知っていた。
びわはら
「枇杷原みかげ」という彼女は、簡単にいえば女子から僻まれいじめられていた。
詳しいことは分からない。
関わったら面倒なことになる。
でも、何故か私は気づいたら陽暖を庇っていた。
そんな未完成な感情が、私の体を動かした。
「あなたたちのしてること、かっこ悪いと思う。」
☪︎*。꙳‧✧̣̇‧.+*:゚+。.✩
単純な言葉が零れた
曖昧なまま流れてく
ありきたりなこの毎日で
本当は気付いて欲しいだけ
未完成な感情が誰かの体動かした
理想的な安寧は
なかなか遠いみたいだ
胸が痛いな
世界中が味方じゃないから
孤独な命で今 歌を歌うんだ
透明な声はきっと 空っぽじゃない
向かい風強くうたれて
竦んだ足を叩いた
どんな暗闇も越えて進む力を見出したい
☪︎*。꙳‧✧̣̇‧.+*:゚+。.✩
白雪まいの(cv:唄見つきの)
SpecialThanks__
素敵な伴奏をありがとうございました✧︎*。
https://nana-music.com/sounds/04d33c21
illustration:羽月璃蕾
本サウンドを聞いて下さり、ここまで目を通して下さり誠にありがとうございます。
本企画「12時過ぎの魔法使い」及び「シャルモントナイトメア」へのギフト機能の使用は禁止とさせていただきます。
ご理解の程よろしくお願い致します。
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