二人声劇「蒼い鯨」

僕【てるんこ様】君【rena】

素敵な台本とてるんこ様とコラボさせていただきました 君の僕の蒼が、みつかるように 僕：僕はいつからか、幻を見つめている。 ［音入り］ 君：「今日は何を描いてるの？」 僕：「海」 僕：重たげな足を引き摺って、君はまたやってきた。 君：「いつ見ても不思議ね。あなたの見つめる先に、海なんてないのに」 僕：「……」 君：「本当に、ここにあるみたい」 僕：僕の絵を幻だと言って、微笑む君が。 ［注ぐ音］ 僕：「それは？」 君：「あなたの」 僕：「……そう」 君：「私ね、時々思うの。あなたの前世は鳥だったのかなって」 僕：「どうして？」 ［窓を開ける音］ 君：「悠々と空を泳ぐあなたにとって、海こそが空だった。だからあなたは青空を見つめて、海を描いてるんじゃないかって」 僕：「じゃあ君の前世はきっと鯨だね」 君：「どうして」 僕：「僕の絵を見る君は、息を吐くたびに空に焦がれて、水柱を天へ伸ばしているようだ」 僕：ほら、その驚いた目。まるで空を映す虚。 君：「……そうかもね」 ［波］ 僕：僕はいつからか、幻を見つめている。そして 2人：私／君　はずっと、蒼を欲している。 #台本 #声劇台本 #二人声劇台本 #声劇 #二人声劇 #掛け合い #カナの台本