梟の占い師
NAZNA
梟の占い師
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以前あったのは、依代銃を制作していた時だっただろうか…素材の事を教わった覚えがある。さとらに薦められてあの時は頼りに行ったんだ…。しかしそんな用事でもなけりゃ、絶対にこいつとは話すことは無い。長くこの街に居るが、占い師だ…という事以外、何も知らない。
「どーも。今日は使いの者が窓から入ってきて煩いんだ…まさか僕がここに来てるなんて、いくら精霊でも分からないだろうと思ってさ。季節の変わり目は面倒だよね」
ニコニコ話す梟の羽を持つソイツは、訳の分からない事を言っている。ジーグは首を傾げた。
「あぁ…そうだなぁ…僕の店に、占いを目的としてない来客が邪魔をする…とだけ理解してくれればいいよ」
「…それと私の店にお前がいるのはなんの関係があるんだ?ウル?」
訝しげに占い師を睨む。元来、ジーグは占い師という類の者は嫌いである。そして、一度足りとも客として立ち寄ったことのない男…客として来店したとは思えない。その時点で、ジーグにとっても商いを目的としていない客が邪魔をしているのと同じだ。
「だから、さっき言っただろ?僕をその迷惑な客から匿って欲しいんだ。僕が武器屋に居るなんて、彼らは思わないだろうしね」
「…冷やかしなら帰んな」
「タダでとは言わないさ!僕が出来る事で恩を返そう」
そういうと、ウルは小さな陶器のボウルを取り出して、数種類のハーブと鉱石を流し込んだ。そして静かに火をつけると、なんとも心地よく、それでいて深く微睡むような重い香りが漂ってきた。
「君、占いが嫌いだろ?」
「…あぁ。昔放浪してた時に占い師に絡まれた事があってな。彼奴らは嘘を言って金を稼ぐんだ…」
「…今日、僕は君にお金を貰わない。ここに居させてもらう恩があるからね。…さて、君は僕に何を占わせたい…?」
普段なら怒鳴って追い返すところだが、この香りには何か力があるのだろうか…?ウルの言葉に導かれ、ジーグは依頼を考え始めた。
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ウルに占って貰ってください。
尚、アンサーと共に占われる内容も提示する事。
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