♥先生×不良
📚️海瀬 壱夜(うみせ いちや)×🍏島﨑 颯太
※キャプション……斜庭
「補習だけは出るんだよな、お前」
どこか呆れた声で、海瀬が言う。その顔すらも見蕩れてしまうのは多分、気のせいだと思いたい。きっと、そうだ。
「補習回避してくれると俺はもっと嬉しいんだけど」
海瀬が言うんなら、勉強しようかな。…いや、だめだろ、そんなことしたらこの人に会う口実なくなっちまう。素行も悪くて、教師どもから嫌われまくってる中で、ようやく俺を見てくれたこの人に惚れて、数ヶ月。この人の授業にだけは出て、でも、足りなくて、2人きりになりたくて、欠点取って。
なんてベタなやり方だろう。そんなんだから、この人にいつまで経っても子供扱いしかされないってのはよく分かってる。けど、足りない頭ではそれしかないのだ。
「俺は、オコサマには興味ないんだけど?」
意地悪な声が筆を走らせる俺の頭上に降ってくる。なぜだかどくと心臓が跳ねた。
それってどういう意味。聞きたいのに、聞けない。素直でない俺はどうすることも出来なくてちらりと視線だけを上げた。
「早く大人になってよ、島﨑」
何気ない呟きは、どこか苦しげに聞こえた。
Comment
No Comments Yet.