#悪役の祭典
『少し遅めのディナーにしよう。』
と彼は言うと
クロスを敷いた食卓に
丁寧に盛り付けられた料理を並べはじめた。
今日は何の日だったか、少し豪華なメニューで
前菜から始まり、スープ、魚料理と続いた。
どの料理も美味しく
どんどんメインの肉料理への期待が膨らんでいた。
待ちに待った肉料理。
ソテーされた肉、それを引き立たせるように配置された付け合せ、鮮やかな赤のクランベリーソース
まるで絵画のようだった。
食欲に支配されないように、
この美しさを保つように、そっとカトラリーで肉を欠る
食欲で震える手で恐る恐る口に運ぶ
とても美味しく複雑な旨み、芳香、食感
全てが初めての味だった。
何の肉なのか訪ねると彼は少し寂しそうに
『少し残酷かもしれないけどとても可愛い仔羊だった』
と言ってた。
これが所謂ラムかと納得しつつ食を進めた。
その後もサラダ、デザートと続き舌鼓を打った。
ラジオを付け食後の珈琲をまったり飲んでいる時
ノイズ混じりのラジオから行方不明者の情報が流れてきた。
【 歌詞 】
愛 愛 愛 愛が足りないの?
老に浪費で薄れる街灯
絶えず 無愛な哀を患って
貴賤老若 無気力 難題
食えど食われ 盲動よ廃れ
喧噪に消えたオルカティズム
囚われたこの身を捧げ
ゆらり揺れる 護送牢獄に
身を委ね 飛び込む愚者の群れ
ぐるぐるぐると廻る 家畜さ東亰
右に左 前習え
聞かぬ乞食 声を正せ
飼い馴らされ 街は東亰カニバリズム
#東亰カニバリズム #biz #Ado
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