【声劇】ニア
- 死を待つ者(荒鳶 誉) × 機械人形(藤崎 みま) -
【声劇】ニア
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“そこはとても不思議な空間だった。
化け物と盲目の子ども。
でもそこはこの世界でどこよりも暖かな空間だった”
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死を待つ者:荒鳶 誉「」
機械人形:藤崎 みま『』
「…アサ。手を、握ってもらえますか?
きっと、私はともう長くないでしょう。
体の奥が、心が少しずつ冷えていくのを感じます。
この世界に未練はありませんが、貴方の元を離れると思えば寂しいです。」
『はい、仰せのままにマスター…。
私は機械人形ですので。マスターの身体を温めることは出来ませんが…。
いつも私は…アサはマスターのお傍に…。』
「ありがとうアサ。
貴方の手は鋼鉄で何であろうがあたたかいのですよ。それは貴方が“アサ”に出てくる“タイヨウ”のように心があたたかいからです。
機械人形であることは何も恥ではありません。」
『…。私は、私はそのように言って頂ける資格はございません。
マスター。私は機械人形などではなくヨルノコです。そして、中途半端にヨルに染まったモノ。
“タイヨウ”などとは似ても似つきません。』
「実は知っていた、と言ったら貴方は怒りますか?知っていました。分かっていましたよアサ。
その上で言っているのです。貴方は私の“タイヨウ”です。」
『勿体なきお言葉、ありがとうございます。
アサは、このような主人を持てて幸せです。
そして、中途半端にヨルに染まったことを心から感謝しています。
そのおかげで今、私はマスターと言葉を交わし、心を通わせているからです。
いつか本物の“アサ”をマスターと見てみたいと、アサは心の底から望みます。』
「そうですね…いつか。きっと。」
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