【小説】さかなの言葉(第4話)/約束の海
谷山浩子
【小説】さかなの言葉(第4話)/約束の海
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サウンドは「約束の海」という
とてもドラマティックな曲です🎶
3話4話ともコーラスメインで作りました。
実は見切り発車で投稿を始めたので
これから最終話の仕上げにかかります。
自宅待機期間で時間があることが
ものすごくラッキーでした🌈✨
希望としては、甘やかで切ない
恋愛小説にしたかったんだけど…
ううむ。
お読みくださり、お聴きくださり、
ほんとうにありがとうございます🙇♀️
読者様は神様です✨ほんとに🙇♀️
ご厚情に深く感謝します💕
では、本編行きます。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼
🐟さかなの言葉 4
“うをお” が外に出るなんて。
行きそうな場所…と考えるより先に足が海岸に向かっていた。
私は “うをお” がウチに来てから外に出ていないはず、と思っていた。静かに本を読んで私の帰りを待っているものと思っていた。
“うをお” が部屋にいないことより、待つだけの人ではかったと気づいたことが怖かった。
案の定、“うをお” は海岸にいた。
膝まで波に濡れて沖を見つめていた“うをお” は、私が波を蹴り分けて近寄る音で振り向いた。いつもの遠く海の果てを見るような目で私を見、「みめ」と労わるような声で呼んだ。
その声はあたり一面を揺らしている波音より遥かに静かだったけれど、私の耳を蕩けさせるに十分だった。
「うをお」
「海だよ、みめ」
「……海だね、うをお」
「あと三つ波が来たら、その次は大きいのがくるよ」
どうしてそんなことがわかるの?と訊ねる間もなく、“うをお” は過ぐる波を数え始めた。
「……に……さん」
突然、数メートル先で海面が盛り上がった。
途端、胸まで海水が膨れ上がり、体が浮き上がったかと思うと、抗えない勢いで足元が波に引きずられ、私はあっけなく沈んだ。閉じるのが間に合わなかった口に海水が流れ込んで咽せ、潮水に目を刺される。
ところが、“うをお” は平然と波に乗り、私の体を掴んで引き上げた。
この細い体のどこに、と思うほどの逞しい力に驚きながら、私は“うをお” にしがみついた。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼
【INDEX】
第1話
https://nana-music.com/sounds/0670fa42
第2話
https://nana-music.com/sounds/0670fa51
第3話
https://nana-music.com/sounds/067126f1
第4話
https://nana-music.com/sounds/06712707
第5話
https://nana-music.com/sounds/067152ed
第6話
https://nana-music.com/sounds/06715306
第7話
https://nana-music.com/sounds/06717f11
第8話
https://nana-music.com/sounds/0671ad81
第9話
https://nana-music.com/sounds/0671ad94
第10話
https://nana-music.com/sounds/0671dd93
最終話
https://nana-music.com/sounds/0671dda3
#うか小説 #うか谷山浩子
Comment
15commnets
- うか🐾城村優歌🐈今週コメントお休みし〼🙇♀️
- ラムネ∮ 🐢 ¸¸♪𓈒𓂂𓇬𓈒𓂂𓇬𓈒𓂂𓇬💠🤍𓈒𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒𓂃 𓈒𓏸◌𖤣𓇢あの後の小説を楽しみにしていたら、 こんなにトントンと進んでいた🙌🏻😆💫💫💫 ちょっとゆっくり、読んでいきます📖 バックの歌ナシコーラスがとても心地良くて、それも 後でじっくり聴いてみたい👂✨
- ryo
- うか🐾城村優歌🐈今週コメントお休みし〼🙇♀️
- ryoうかさん、小説も書けるんですね😳こちらの4話まで読みました📖うおとみめがどうなってくのか…続き、楽しみにしてます♪物語の展開とともに変わってく音楽とても良いですね✨
- うか🐾城村優歌🐈今週コメントお休みし〼🙇♀️
- うか🐾城村優歌🐈今週コメントお休みし〼🙇♀️
- ななトンもうダメー😭続きが早く読みたい〜 主人公の女性はうをおさんより年上ですね! 私なりの展開を想像してます。でも、うかさんのストーリーは思いもよらない事が起こりそうでワクワクします! できれば最後まで2人には生きててほしいかな
- 橙🍊 幾億光年(歌inと伴奏と2つ投稿しました)ピアノが大きな波を連想させ、3話のうかお君の歌声に、元彼の存在が際立つような印象を受け、まさに、曲とお話と連動しているような素敵な世界でした。夜、目が疲れてるのに、一気読みでした🍀。 うかちゃんの才能、すごい❣️
- うか🐾城村優歌🐈今週コメントお休みし〼🙇♀️
- ryuzzz
- うか🐾城村優歌🐈今週コメントお休みし〼🙇♀️
- うか🐾城村優歌🐈今週コメントお休みし〼🙇♀️
- ryuzzzああ、でもうかさんのこれは「甘く切ない恋愛小説」とのことで、そう考えるとあの映画とはずいぶん違うな(^_^;)
- ryuzzz「こおろぎ」という映画を、ふと思い出しました。 西伊豆の集落で、都会からきた女(鈴木京香)が盲目でしゃべれない男(山崎努)を「飼う」、と言うか共依存してる。 映画は僕には理解の難しいものだったのですが、女が都会に残してきた男に電話で「戻らない」と伝える場面があったり、男が夜の海に入っていったり、あれは全体に、この小説と同じような色彩を帯びている気がしました。 、、、すみません、まだ未完なうちに中途半端なコメントをして(^_^;)