声劇 都合のいい女
台本:あいざわ 読み手:なりた
声劇 都合のいい女
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「帰り遅くなる」ってLINEがあった。
「分かった」って1つ返事を返して、
湯気のたつパスタにラップをかける。
驚くほどに表情は動かなくて、
また今日も空虚な部屋に1人。
なんとなく流していた映画の中で2人は
幸せそうに肩を寄せ合っていて
思わず目を逸らせなくなっていた。
今日も帰りが遅い。
最後に顔を合わせたのはつい最近。
いつものように甘えてくるその刹那
ふわっと香った異様な″いい匂い″。
ああ、男がいるんだなって
すぐに分かってしまった。
昔から遊び癖があったから
もうそんなに驚かないけれど
恋愛的に好きだったりするから、
やっぱり傷ついたりする。
でも、それでも彼女のことが大好きだし
所詮シェアハウスしてる友達ってだけの関係。
もし言ったとして
この関係が壊れてしまう事が何よりも怖い。
それなら、ずっとこのままでいい。
取り繕って、なるべくいつも通りを演じる。
___そう、私は彼女の
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