タカラモノ
刀剣男士 team三条 with加州清光
タカラモノ
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✘✘✘✘年。✘月✘日。
今日、私は病気にかかった。
お兄ちゃんが必死に看病してくれてた、すごく嬉しかった。
少し、病気がうつらないか心配だったけど、お兄ちゃんは強かった。
お兄ちゃんのことはたくさん覚えてるし、たくさん日記に書いてるけど、よくよく考えたら私、お父さんとお母さんのこと1回も書いたことないな。なんでだろう。
明日はお父さんとお母さんのことを書こう。
お兄ちゃんが言うには、もしかしたら明日もちょっと熱あるかもって。でもその次の日はきっと元気だよって。
お兄ちゃん、優しいな。大好き。
✘✘✘✘年。✘月✘日。
そんなもの無かった。
なーんにも。
……もう書けない。
✘✘✘✘年。✘月✘日。
お兄ちゃんの言う通り、私は元気になった。
さすが私のお兄ちゃん。なんでも知ってるんだね。
でも私が病気から治ったらすぐお母さんに連れてかれちゃった。
休んでた分、舞のお稽古だって。
ずっと寝込んでたからすぐに疲れちゃった。でもお母さんは許してくれなかった。
なんだか、楽しくない。
今だけじゃなくて、ちょっと前からお稽古が全く楽しくない。
だって、お母さん怖いんだもん。
明日もあるんだって。嫌だなぁ。
……お兄ちゃんもいれば楽しいのに。最近なんでいないんだろう。
✘✘✘✘年。✘月✘日。
なんだか外が騒がしい。お祭りでもあるのかな?
少し見えたのは神楽が踊れそうな舞台。
お客さんの前で神楽を踊って、お客さんが笑顔になる。
そんな夢を私は見た。私の夢は綺麗な巫女さんになって、綺麗な神楽をお客さんに見てもらって幸せになってもらうこと。
お母さん、今日は張り切ってた!
そのために、今日のお稽古もがんばらないと!
✘✘✘✘年。✘月✘日。
記載なし。
✘✘✘✘年。✘月✘日。
記載なし。
✘✘✘✘年。✘月✘日。
記載なし。
以下延々。
とある昔の贄少女の日記より引用。
現在この日記は行方不明。
日記は日々を綴った宝物。文字がなければ、誰かが書かなければ後世に伝わっていかない。楽しい日々も、苦しく辛い日々も。
人は先人の印を見て学ぶ。
このまま無くなったままだと、再び悲劇を起こしかねない。
はやく、みつけて。
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