声劇台本 回送列車
演者:
声劇台本 回送列車
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やぁ、こんばんは。
回送列車へようこそ。
ん?何故ここにいる、とでも言いたげな顔だね。いいとも、説明させてもらうよ。
ここは今まで君が歩んできた歴史を、車窓から追想できる場所だ。どこで生まれ、どのように育ち、いつ恋をし、何故生きて、どうして死んだのか。他でもない君自身が観客となって、その全てを見届けられる場所。
あぁ、うん、そうだ。君は現世で死んでしまった。もっと詳細に語るなら、死にかけている状態なんだ。
似たようなもので、走馬灯という言葉が、君達にはあるだろう?そういうものだと思ってくれ。
ここの時間の流れは止まっているようなものだ、安心して、君の人生を眺めてくれ。
ほら、そろそろ出発する。
車窓を御覧。君の軌跡に、君自身が認めてあげられるように。
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