🎲：ふくねこ様

📚第一部隊📚

🎲：ふくねこ(ハッキングの天才) 『あーぁ…つまんないなぁ…誰か一緒に遊んで…！』 パソコンのキーボードを叩く音が部屋中に響く。 彼女は手を止めずに溜息をついた。 画面には、他の人が見たらよくわからない英語や数字、 記号の羅列があった。 彼女はハッキングの天才と呼ばれている。 『手が止まっているぞ』と機械越しから聞こえ、 ドキリとする。 彼女はマフィアのボスに拾われてから自由を失ってしまった。 手を止めること、休憩することも、時間が決められている。 それ以外は敵のパソコンのハッキング_なんて、 やりたくもないことをやらされている。 もういっそうのこと、逃げ出してしまいたい。 一生ここで自由を手にすることなく終わってしまうと 考えると涙が溢れそうになった。 ある日、ボスと側近が不在にすると言い出し外に出た。 今だ、今しかない。 逃げるんだ、自由を掴むんだ。 その気持ちで一心に駆け出し、建物の外へ逃げ出した。 体力も限界に近付いて来た時、休憩の為逃げ込んだお店は 大きな本棚が並ぶ図書館だった。 扉の向こうから、私を探す声と足音が聞こえるような 気がし、恐怖で震える。 勝手に入ってごめんなさい。 私を匿って…今だけでいいから…！！ そんな思いを抱え、奥へ奥へと走り出した。 『あ、もし良ければ…お話、しよ？』 《よく来たね。さぁ、暖かいお部屋でお休み。》