#アナストリアの棺
Meteor imber06/戯言スピーカー
夢の狭間。生きることから逃げた、その先の生。何かに怯えて、追われて、行き着いた果ての果て。
臓腑に星が流れた。
「随分とお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。カタリナさん、素敵な夜を過ごせましたか?」
「……ハイネさん」
人の温もりが消えたバンケットホールに、最後に残されたカタリナ。ハイネが右隣で優しく微笑みかけ、その手を取った。
「クラリスさんも、ロサさんも、みんな眠ったんですか?」
「ええ。ここにいた方は皆、この夜に漂っています」
「……私、死にたい人はみんな暗いんだと思ってました」
「実際、暗い方もいらっしゃいます。ですがモルスリウムでなら、同じ目的を持った者同士で打ち解けることが出来るのです」
死ぬ事が怖いとは思わない。
棺桶に片足を踏み入れてしまったあの日から、もう半分死んでいたのだから。
そうだ、死ぬ事が怖いのではない。
カタリナという人間が死ぬことで、さっきまで温もりのあった人達が記憶から消えてしまうことが怖かったのだ。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
ㅤ ㅤ Voice actor
クラリス💐なっちー☀️
ロサ🎀07
Comment
No Comments Yet.