キルマー
煮ル果実 libertà conte / Emma·Brown
キルマー
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✼••┈┈┈┈┈┈┈Epilogue┈┈┈┈┈┈┈••✼
「もう鬼ごっこはやめたら?…前には俺、後ろは崖…どう足掻いても逃げられないと思うけど」
「……そうね、まさに絶体絶命…」
「そうそう。だからさぁ、大人しく俺に始末されてよ…エマ」
「……この際だから言っておくけれど、貴方のその、勝ち誇った顔が気に食わないわ。もう私に勝った気でいるの?…尊」
「………貴方の望みを私が叶えてあげるわ」
「はぁ?何言って……!!?まさか…」
「ふふ、ふふふふふ!……私たちは似た者同士よ。様々なしがらみから抜け出せずにもがく者、もがきつつも自身の激情に支配される者…そんな私たちは、決して救われるべきではないわ。
私と共に地獄に行きましょう、死神さん?」
「……私、貴方のことは嫌いだけれど、その根性は好きだったわ。…貴方と過ごす崖の底も、案外悪くないかもしれないわね…。」
風を切る感覚を感じながら、背中に回した腕を緩めることなく奈落へ落ちていく。耳元では、うわ言のように「神さま」と呟く青年の声が聞こえてくる。少女はめぐりめく走馬灯を眺めながら、ゆっくりと瞼を閉じる。何にも囚われない奈落へのカウントダウン。奇しくもその瞬間こそが、彼女の求める“自由”そのものだった。
縛られない自由を求めた少女の物語は一先ずおしまい。
『それじゃあ、また来世。』
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
かつて深窓の少女は無自覚モーション
痛い位に溢れた狂気を吸って
凄惨な修羅場で
一糸も二糸も纏わず
熟れる 獲る 得る 煩悶
下賎の面から遥々 韜晦
外連 面被
備えた令嬢のvirgin
群衆は目をつけ矢鱈滅多ら 耽溺して
選り択り抜く
先見の明は低迷だ 嘆願の甲斐なくhooligan
煽情が明滅 酩酊
奪って去って嗤う
今が生涯 最の底辺だって憂いたくなるよな
都合良く天網なんか存在しないやって
判明したのよ 隷従 隷従
はいはいこれが運命だって
吐き捨てる分からず屋
そこに愛は無い 愛は無いと 喚いていた
破られたベルベットロープ
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