Always in my heart
✒️アンネ&🗝ヴィオレット
Always in my heart
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第6節 「魔女見習いと7人の魔女」
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「み、皆さんこちらへ移動して下さい!」
「3番地の皆さんは西の道から移動を!中央道路は1番地と2番地の人達が使います!お年寄りには誰か手を貸してあげて!」
まだ眠りに沈む城下町をアンネとヴィオレットは箒で飛び回り、住人達を誘導していた。兵士たちに手伝って貰ってはいたが、栄えている東の国の首都に住む人間は多い。アンネが教育者らしく的確な指示を出してくれるおかげで、何とか大きな混乱を起こさずにいる。
(次の魔力放出行くよ~!次は東南の方向!)
「わかりました!ジャンヌ様に連絡を……!」
(東南方面か。了解した。礼を言う)
そんな中にアビゲイルからの連絡をジャンヌへと伝言する。なるべくその作業に精神を集中して他の情報を意識しないように。アンネも魔力のコントロールに力を貸してくれている。
それでも城下町は人が多すぎる。更に言えば大きな混乱は起こさずにいるが、住民たちが不安を抱えることは避けられない。
(怖いよ)(何が起こってるの?)(めんどくさい)(お母さんどこ?)(ねむいんだけど)(魔女の言う事なんて信用できるか)(何なの?不安だわ)(誰か何が起きてるか教えて)(寒いよぉ)(せっかく寝てたのに)(うちの子はどこ?)(助けて!)
「うっ……!」
「ヴィオレット!?」
ほんの少し気が緩んだ瞬間、感情の濁流がヴィオレットに流れ込んだ。その情報量に頭が割れそうに痛み、思わず頭を抱え込み箒からずり落ちたのをアンネが支える。そのままアンネの腕の中で意識を落としかけたその時。
(泣かないで……人生には別れもあるけれど、きっと新しい出会いもあるはずよ……)
聞いたことのない、けれどどこか懐かしい声がはっきりと聞こえた。そしてその声と共にヴィオレットの体が優しい薄紅色の光に包まれる。
それは加護の魔法だった。頭蓋骨の中に響くようだった頭の痛みが消え、ヴィオレットの魔力が安定していく。
「お母……さん……?」
「これは……プリムラの固有魔法……!?」
母は自分を産んですぐに亡くなったはず。でもきっとその間際にヴィオレットに固有魔法をかけたのだ。自分がいない未来で娘を危険から護るために。その事実に気付きヴィオレットの瞳から涙が流れた。
「これがお母さんの魔法……」
「『美しき思い出を語ろう(ロング·ロング·アゴー)』」
その様子を見たアンネは杖のペンを取り出すと『ヴィオレットは役目をやり遂げる』と空中に書き綴る。すると空中に金色の光で書かれた文字は、パッと舞い散るとヴィオレットを包む。
薄紅色の光と金色の粒子がヴィオレットの心の中を護り抱きしめるように温めてくれる。
「私の固有魔法は実現が難しい事象ほど魔力が大量に消費され、最悪死に至る」
「えっ!」
「けれど私は死んでいない。つまり、貴方ならやり遂げられるということよ。大丈夫、プリムラが──それに私も傍についているから」
「先生……」
ヴィオレットは涙をごしごしと拭いた。涙は止まらなかったが、ヴィオレットは涙でぐちゃぐちゃになった顔で、それでも笑って見せた。
「私、頑張ります!お母さんが護ろうとした人間の皆を……この世界を護りたいから……!」
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✒️The way if it's all predetermined
(もし すべてが運命付けられていて)
And the way i should go all my life
(逃れることはできないとしても)
🗝I swear to go wherever will be
(何があっても くじけないと誓おう)
'Cause there'll be something to see and to find
(だって その先には出会いがあるはずだから)
✒️I dont know the meaning of life
(人生の意味はわからないけど)
🗝But i know what truly precious
(何が本当に大切なものなのかはわかる)
✒️🗝The way it leads me to be in love
(それが私を愛へと導く)
No fear i can find me always in my heart
(心配しないで 私は自分自身を見つけられる)
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🗝ヴィオレット・ホワイト(cv.朔)
対話により魔女と人間を和解させ、魔女と人間が共存する時代を切り開いた「黎明の魔女」として後世まで語り継がれることとなる。
その心優しく、気高い魂はいつもなにものかの守護により護られていたと語り継がれている。
【好き】スミレの砂糖漬け、絵本
【嫌い】負の感情
【特技】掃除
【ステッキ】鍵
【固有魔法】
「扉を開けて(オープン·ユア·アイズ)」
人の心を読み、自分の心を伝える魔法。
✒️アンネ・クリストファー(cv.中条瑠乃)
多くの弟子を育てた優れた教育者であり、また作家として数多くの魔導書や絵本を執筆した。心優しい性格で大勢の魔女と人間に慕われた。
彼女の綴った美しい物語たちは長い年月を越えて多くの子供たちに愛されることになる。
【好き】静寂、思い出
【嫌い】人間関係、喧騒、シフォンケーキなどプリムラを思い出すもの
【特技】切り絵
【ステッキ】ペン
【固有魔法】
「美しき思い出を語ろう(ロング·ロング·アゴー)」
ペンで空中に書いた事象が現実になる魔法。実現が難しい事象ほど魔力が大量に消費される。
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☪︎第1章 プレイリスト☪︎
①→https://nana-music.com/playlists/3770346
②→https://nana-music.com/playlists/3840176
☪︎素敵な伴奏ありがとうございました☪︎
Pan様
https://nana-music.com/sounds/057fd666
☪︎ 𝕋𝕒𝕘 ☪︎
#魔女アンネ #魔女ヴィオレット
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