アイドル祭典編 エピローグ
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アイドル祭典編 エピローグ
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Noside
_____「Twinkler+Twins!」
結果発表が行われたあの日。
グループの名前を呼ばれた彼女たちの頭上からは紙吹雪が舞い、出演券ともよばれるトロフィーは、代表として受け取ったミレイの手を照らした。
メンバーは堪えきれず涙を流しながら抱き合い、涙した。
睨む視線があろうと、ひどい言葉を吐かれようと、彼女たちには届かない。
いまこの瞬間は、努力が、我慢が、全てが報われた瞬間であったからだ。
彼女たちはこの瞬間だけ、嫌なものや余計なものからは逃げ、耳を塞いだのである。
嬉し泣きをしながら優勝インタビューに答える彼女たちは、どこかすっきりとしたような面持ちをしていた。
その後、この件が大ニュースとして世界中で放送されたり、cutie chocolatierが直接称賛しに来たりと、彼女たちの周囲は目まぐるしい変化を遂げた。
そのなかでも確実に近づいてくる本番の日を前に、いつも以上に練習を重ねる日々。
心無い言葉を振り切って、今日、彼女たちは堂々とステージに立ったのであった。
*
🛍「あの景色…本当に綺麗だったわね…」
ライブから数日後。
一躍有名になって多忙を極めていたメンバーを見かねたミアによって全員オフになった今日、彼女たちは芸能人御用達の店に集まっていた。
💍「ね…会場中黄色で…あたしたちすっごい輝いてたよね!」
🍮「うん。でも映像だと、キラキラっていうよりギラギラだったわ…」
🍰「うん…すごい光っててちょっと笑っちゃった…」
思い出し笑いをするリカとミユに、羨望の視線が送られる。
🐈「リカちゃんとミユちゃんは映像観られたんだったっけ…いいなぁ」
🛍「私たちちょうど席を外していたものね」
🐕「あの時の私たちどんな感じに見えてたんだろう…ちゃんとできてたのかな…」
🍮「そう言うと思ったから……はい」
ミユが携帯を操作し、ぱっと皆に見える位置に掲げる。
💍「まさか…!!」
🍰「そのまさか、だよ。他のメンバーは観られないのかなって話してたら、流石に全部はダメだけど、一部ならいいよって貰ったの。もちろん門外不出、他言無用、だからね」
🍮「いまは音流せないから、映像だけだけど。観る?」
🛍💍🐈🐕「観る!!」
4人の声が綺麗に揃い、ミユは苦笑しながら再生ボタンを押した。
たしかに、ミユの言うとおり映像全体がギラギラしている。
🛍「私たちギラッギラね」
🐈「そうだね…ふふ。キューティエさん公式のペンライトの黄色って、玲乃さんのイメカラのビビッドイエローだけだもんね…」
リカとミユが映像を貰う許可を得たのは、円盤用に観客の後方から撮ったカメラの映像であったため、彼女たちの映像にはギラギラと光る無数のペンライトの光が映り込んでいたのだ。
皆が笑い合うなか、黙って映像をじっと見つめていたリリがふぅと安堵のため息をついた。
🐕「お客さん、楽しんでくれてるね」
安心したように満面の笑みをみせたリリに、全員が頷いた。
💍「ほんとに…頑張って、よかったなぁって…思って…」
レイナが涙を流し始めると、皆つられたように泣き始めた。
彼女たちはあのライブの後、こうやって振り返る時間さえなかった。
ようやくメンバー全員で思い返し、泣くことができたのだ。
🍮「ミアさん、もしかしてこのために」
🐕「…それもあるかもしれないね。今日の休み、結構無理言って取ってくれたみたいだから」
🐈「正直すっっごく助かった…」
🍰「お礼を言わないと…だね」
多忙ななかにつくられた休日は、彼女たちの心身を存分に回復させた。
🛍「…さ、明日からはいつも通り忙しい日が続くわよ!辛いときは無理せず相談したり休んだりしながら頑張ろう!」
🌟「おー!」
小さく拳を突き上げた彼女たちは、満面の笑みを輝かせていた_____。
Twinkler+Twins《アイドル祭典編》完
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