13話「約束」

葛葉： 鎖鳴 斑：ゆうねこ

#辻村悠一の台本 #声劇 #台本 #2人用声劇 #狐使いの怪奇譚 #譚シリーズ ────────────────── 【introduction】 殺生石のカケラを全て集めた葛葉と斑。 本来の力を取り戻した斑によって万鬼夜行 (ﾊﾞﾝｷﾔｺｳ)を阻止できたが、殺生石の呪いに よって斑は石化してしまった。それから2年。 葛葉はいつもの日常を過ごしていた。 【character】 ●葛葉(ｸｽﾞﾊ) 高校3年生。 斑と主従契約を交わしていた。 ○斑(ﾏﾀﾞﾗ) 伝説の陰陽師に仕えていた白狐。 2年前から呪いによって石化している。 ────────────────── ［BGM01 in］ ●何も変わり映えのしない日常。 私の世界は退屈で、窮屈(ｷｭｳｸﾂ)だった。 2年前、彼に会うまでは。 ［BGM 02 in］ ［SE：扉開］ ●「あっつ...」 ［SE：チャイム］ ●「じゃぁね。また明日」 ［SE：山道歩］ ●「勝手に現れて、勝手に石になっちゃってさ」 ［SE：石化した斑の前でしゃがむ］ ●「ずっと守るって言ったのに。...嘘つき」 ［SE：ヒビ入る］ ●「え？」 ［SE：砕ける］●「きゃぁっ！！」 ○「ってて...。 やっと解呪(ｶｲｼﾞｭ)できたか。 ...ん？ どうした葛葉」 ●「...まだら...まだ...らぁ...！」 ○「葛葉、おま、泣いて...、」 ●「な、泣いてないし！ バカ斑！ほんと...バカ」 (BGMが落ち着いたら) ○「ごめんな、葛葉。 もう心配はさせない。 これからもずっとお前のそばにいて、 お前のことを守るから」 ●「うん。 ...約束だよ」 fin. ────────────────── 照りつける太陽。 喧しい蝉の鳴き声。 行き交う人。 いつもと変わらないクラスメイトたち。 日常、日常、日常。 2年前から何も変わらない日常。 唯一違うのは。 私の隣に彼がいること。 ──────────────────