_4.第二章(story01)_
【by Corrupted hymn :Ⅱ -Recurrence-】
_4.第二章(story01)_
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──皆さんはデュオ魔法というものをご存知ですか?
デュオ魔法。それは強力な魔法を
特定の相手と放つことで
個人で放つよりもより強力な効果を得ることができる
"2人だけの魔法"……
ただし、本人の素養はもちろんのこと
魔法のレベルを特定まであげないと発動さえもできません。
そんな特殊な魔法の威力を、歌に乗せる……なんて、
きっと初めての試みかもしれませんね!
可能かって?
それは、聴いてのお楽しみ────
さあ。合唱祭の幕が再び上がりますよ。
今宵もどうぞごゆるりと、お楽しみください……
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▶︎𝐒𝐓𝐎𝐑𝐘
4.第二章 (1/2)
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いつもの合唱祭メンバー控室。
そこに集まったメンバー達は、上機嫌な学園長の話を聞きながら雑談を楽しんでいた。
🕰「いやー、皆さんお疲れ様でした!合唱祭メンバーである皆さんが引っ張ってくれたおかげで、今年のハッピービーンズデーは一段と熱く激しい攻防で盛り上がりましたよ!」
🐯「本当か?いや、盛り上がったのは目に見えて確かだったが。それだけじゃあねえだろ」
💊「おや?どうしたっていうんだい?」
🐯「一般学生たちの大半を蹴散らして歩いたグループがあったって話だぞ」
💭「それ俺たちのぐr」
🕰「コホン!」
💭「あと、倒しすぎて一部の学生たちからクレーム来たって聞いたけd」
🕰「オッホン!!」
🎐「そっかあ、やっぱりほとんど倒しちゃってたんだぁ……喉がかれそうなくらい、たくさん歌ったからね。でもあの後は……」
🐠「君たちの歌声は素晴らしかったよ。僕は狩った小魚たちの数までは覚えていないけれど、とても楽しい一日だった。美しい僕の晴れ舞台になったよ」
💊「ああ、途中で退場していなければ、最後まで仲間の勇姿を見ていられたのになあ」
👁🗨「ふふ……今回は僕も身をもって感じたが、歌の効果と言うのは素晴らしいものだな」
🎓「そうだな。最初は魔法よりも全然小さな効果だと思っていたけど……歌に乗った魔力は強い力を発揮できるんだって分かったよな」
🎐「それってもしかして、僕たちの成長の成果かな?」
💭「うーん。確かにそうかもしれない」
ハッピービーンズデーという学園のイベントで、特別に"歌"で魔力を行使することが許されたメンバーたちは、まさに勝敗の鍵となる戦いを繰り広げた。農民チーム、怪物チームに分かれた合唱祭メンバー達が、それぞれ思い思いの戦術で、練習してきた歌にバフを乗せて戦ったのである。
魔力を乗せた歌の効果を実感したメンバーたちは、その効果や、自分達の力が増していることを実感し、興奮したようについ最近の思い出話に花を咲かせていた。
ひとしきり談笑をしたところで学園長が声を張り上げる。
🕰「さて!おしゃべりはここまでにしましょう。今回の合唱祭についてお話ししますよ。
次は学校のイベント関連ではなく、合唱祭として歌の発表を行います。
そして皆さんにこなしていただく課題は……歌声の相乗効果、すなわちデュオを発生させていただくことです!」
なんともないような顔をして学園長の話をきく上級生たちの傍、一部の一年生達は心配そうに表情を曇らせた。
☂️「でた、一番不安だと思っていた課題だ…!」
🚫「うーん……ひとまず、学園長の話を聞いてみるか」
🕰「さて皆さん。デュオ魔法のことはご存知ですよね?」
学園長が真面目なトーンで指を立てながら説明を続ける。
🕰「素晴らしい素養を持つ魔法士のみが放つことができる魔法の一つです。
魔法のレベルを特定まであげないと発動さえもできず、
かつ、特定の相手と放つことで、個人で放つよりもより強力な効果を得ることができるというものです」
🎨「はい!学園長、特定の相手って誰なんですか?」
🕰「良い質問ですね、ルドリエ君。特定の相手というのは、何かしらの強い縁……特別な関わりのある人物のことです。強い者同士であれば良いというものではありません。
魔法はもちろん魔力に依存するものではありますが、
時に、強い心が、その威力を想定以上のものにする……ということが遥か昔より見られるようです。
そのため、他とは異なる特別な感情を生み出す相手…という意味で、特別な関わりのある相手とされるのでしょう。
詳しくは解明されていませんがね」
☂️「特別な、関わり……いますか?サディク寮長」
💭「お前たまに失礼じゃないか?」
☂️「心底心配してるんです!」
🕰「特別、というと本当に深い縁を想像しそうですが、そうではありません。
貴方にとって何かしら、他の人とは異なる感情や思いがある。相手にしかできない話や反応がある。そんな相手のことを指します。
まあ学生である貴方達に『特別な人とペア決めしてくださ〜い』なんて言ったら、一生決まらないことなんて知っていますからね?全く、若い子達はシャイなんですから。
ですので今回はメンバーの中でも、学園長である私から見て、深い関わりのありそうな方同士で組ませていただきました。私、優しいので」
学園長がそう言って指を鳴らすと、何も書かれていない大きな羊皮紙が張り出される。そこにどこからともなく現れた羽根ペンが『合唱祭 ペア一覧 』と書き出した。
🕰「一組ずつ発表していきますが、なんでその相手とペアなのか……が気になる方は、後で直接私に聞きに来てくださいね」
🐕「え〜〜〜!俺、いろんな人と組んでみたいのになぁ。要は仲良しだったらいいんでしょ?今まで組んだことないけど仲良い人いっぱいいるよ!スーニストとかさぁ」
🐾「話聞いてたぁ?学園長が組んでくれるって言ってんじゃん」
🐕「例えの話だよー!それに、ディンクともやりたい!!」
🐾「フォローいらないし」
🍽「あはは……そうですね、なかなか一緒のグループになりませんよね。今回はどうでしょうか」
🫖「仲良しとやるなら、同じ学年ってことも普通にあり得そうだよね?」
🔍「ああ。それに今まで同じグループで歌っていても、今回は『2人で歌う』ということだから……一緒に歌ったことがある相手になるかもしれないね」
🫖「ふーん。……ねえもしかしてさ、特別な感情って、良い感情とは限らない?」
🐾「うわ、ヤな予感するんですけど〜……」
🎭「ねえねえ!誰と歌うんだろう?楽しみだね!」
🏝「そうやね……どきどきする……できれば、寮の先輩とがええな」
🎨「デュオ魔法って授業で習ったけど、歌でやるなんて聞いてないし…俺も先輩たちと歌えたら安心だと思うなあ」
🎭「でもさ!先輩達だって歌にデュオの魔力を込めるのは初めてなんでしょ?誰が相手ても初めてなんだから変わらないよぉ」
🏝🎨「「確かに〜……」」
☂️「そうは言うが、魔法のセンスは俺たちよりも先輩方の方が格段に上だろう?それならきっと、良いアドバイスももらえそうじゃないか?」
🏝🎨「「そうかも〜……」」
☂️「まあ、不安がっていても仕方ない。俺たちも合唱祭のメンバーなんだから、やれることを頑張ろう!」
🚫「……サリは本当に前向きなんだな……うん、その通りだ。迷惑をかけないようにしないとな」
ざわつくメンバー達の様子を想定内だと言わんばかりに、学園長は手を叩いて注目を集める。
🕰「はい、静粛に!
まず、今回はエンドレフリット君がお休みです。ヴェネビッド君、合唱祭終わったら、彼にデュオのいろはを教えて差し上げてくださいね」
💊「ああ、本人からもそう言われている。もちろん承ったよ」
🕰「よろしくお願いしますね。
そしてメンバーが奇数になってしまいますから…実は今回、一部の方には2つの曲を練習し発表していただくことになります。とても忙しいと思いますが、ぜひこれを良い機会と捉えて頑張ってくださいね。
それではペアを発表します!」
さらっと告げられた言葉に動揺するメンバーたちを遮り、学園長は再度指を鳴らした。
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« 合唱祭 ペア一覧 »
エイダン・レグナー&デア・ムファルメ
アコロ・ルドリエ&サリ・ケーラット
デア・ムファルメ&サディク・カジュール
ビオナ・バーク&ディンク・リガウ
ディンク・リガウ&ノア・ウィルバー
アレータ・アイクウォラ&グラッド・ライネットス
アレータ・アイクウォラ&エルス・フリューソルタ
アルカ・ヴェネビッド&ヒイエ・ロードオーゲン
ラディア・アリスト&ストラ・スーニスト
ヒイエ・ロードオーゲン&ウィア・ファティ
ストラ・スーニスト&イルジー・クラフ
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ペアを書き出す魔法の羽根ペンが消える頃には、控室はザワザワとあちこちで会話が繰り広げられていた。
🕰「はい、はーい!お静かに!
そして……ムファルメ君。リガウ君。アイクウォラ君。そしてロードオーゲン君、スー二スト君。
貴方達5人は、それぞれペアとなる相手が2人います。
他の方達が1つの曲を完成させる間に、2つ完成させないといけません。正直他のメンバーとは比較できないほど忙しく、大変なことでしょう。
しかし人数合わs…ゴホン!様々な方と縁をもち、かつ優秀である!貴方達にしか!任せられない大役ですので。
何か困ったことが出てきたら、まずは相談してください。
ぜひ頑張ってくださいね。よろしくお願いしますよ!」
🐯「思いっきし人数合わせじゃねえのかこれ……
ま、別に構いやしねえけどよ。これぐらいはどうってこと無ェしな。それよか……ビオナと2人でペアか、ディンク」
🐾「ワンワンと!?しかも2つも歌うのぉ!?マジでめーんっど……寮長はわかるけど、なんで俺なわけ?あーあ、ノアとやるのは楽しそうなのに」
🐯「はは。選ばれたからにはやるだろ?別に相手の実力に不満があるわけじゃねぇだろうからな」
🐾「そりゃあ、そうだけど…………」
🐠「おや。美しい僕の出番が、合唱祭で2回も回ってくるなんて……学園長も見る目があるね!美しい僕の名にかけて、必ず素晴らしい歌を披露するよ」
👁🗨「ふむ……ペアの相手が相手だ。僕が選ばれたのも頷ける。謹んで引き受けよう」
🍽「そうですね、うちの寮は他の寮よりメンバーも多いですし……ヒイエ様と歌えないのはちょっと残念ですけど」
👁🗨「ふふ、僕も残念だよ。しかしいずれ来るその機会まで、大事な一年生たちの成長を見守らねばな。そちらは頼んだぞ、ストラ」
🍽「が、頑張ります!……なんとか」
名前を呼ばれた5人が様々な表情をしつつも肯定の返事を返すと、学園長は満足そう微笑んでうんうんと頷いた。
🕰「結構結構!大変結構です。ご快諾いただけたようですね。別の相手と練習する時間を確保する必要がありますから、なんとかうまいこと立ち回ってくださいね」
そして咳払いをすると、再び真面目なトーンで声を張り上げた。
🕰「もう一つ、今回の課題では大事な要素があります!
それは『自分達の歌声に宿る魔力の性質を見極める』と言うことです。
前回のハッピービーンズデーでバフを担当していたメンバーはよくわかると思いますが、歌によって、聴く人に様々な効果を発揮したよね」
💊「ああ。歌もそうだけど、その効果も素晴らしかったね」
🐠「とても楽しかったからもう一度やりたいくらいさ」
🔍「ただ…あの時は、『どういうバフをかけたいか』という観点から曲を選んだな。あのアプローチはたしかに、イメージしやすいものだった気がする」
🕰「よく覚えてらっしゃいますね。
己の歌声と、その歌との親和性……自分の歌声がその歌に合っているのか?と言うことがわからなければ、その歌がもつ効果を十分に発揮できる歌い方や表現を突き詰めるのは難しいでしょう?
今回は、『自分達にしか出せない色』『自分達だから込められる魔力』…そして、『自分達にピッタリの歌』を見つけてほしいと思います。今回も課題曲はありませんので、歌う曲はそれぞれのペア内で、自分達にどんな曲が合うのかをよく考えて決めてください。
……まあ、歌う人によって表現が変わり、効果も多少変わると言うのが、魔力のこもった歌の面白いところでもありますから。選曲については難しく考えすぎなくても良いでしょう。
それよりも、自分達が歌に込められる魔力がどのようなものなのか、聴く人にどんな効果をもたらすのか。今度は前回とは逆の観点から観察し、理解し、表現できる力を養っていただこう!
──というわけです」
🫖「ねえ。なんか今回の課題、小難しくない……?一気に面倒臭そうというか……歌声の自己分析?」
🐾「まー要するに、俺たちだから出せる音っての出せば良いんでしょ?楽器と同じじゃん」
🫖「あっ確かに!さっすがディンク君」
🕰「さて。ペアになった皆さん同士で話したいことや相談もあるでしょうから、本日は早々に解散です!何かあれば相談に来てくださいね。
それと!公平のために、合唱祭での発表順序は、合唱祭の前日にルーレットで決めさせていただきますね。それでは、解散!」
🚫「る、ルーレット…?」
☂️「そんな適当でいいのか……?まあ、変に緊張はしなくてすむかもしれないけど……」
🏝「どんな順番になるのか、楽しみやね」
……つづく。
Next story... 『4.第二章(story02)』
⏩ coming soon...
※サウンド投稿予定
Start : 6/21 20時
〜Last : 6/24 21時
✧ ✧ ✧
🪄 𝙏𝙝𝙖𝙣𝙠 𝙮𝙤𝙪 !! 🤝
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