〈第2話〉秘密【後編①】
台本 由季
〈第2話〉秘密【後編①】
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【CEA】〈第2話〉秘密【後編①】
クレア「見くびらないで。毒なんかで私たちは死なないわ。やるべきことが残っているんですもの。それに、貴方の覚悟や、仕事への姿勢はそれまでだった。そんな中途半端な貴方の依頼を受ける価値なんて1ミリもないわ。帰りましょう、オリヴァー。」
ニコラス「…………」
オリヴァー「では、ご自分で毒を飲まれますか?」
ニコラス「………僕が飲んだら、疑いは晴れますか?」
オリヴァー「いえ。助長するだけです。毒を盛った犯人が、自殺するなんて、自分が犯人だと言っているようなものですからね。」
ニコラス「………」
オリヴァー「ご安心を。そもそも、飲むつもりなんてありませんから。首謀者が飲むのを止める前提があるからこそ言えることです。」
ニコラス「………へ?」
オリヴァー「ですから、貴方は我々を信じて、ご自分で罪を晴らしてください」
ニコラス「………分かりました。」
ーーー
日を改め、カフェに訪れたニコラス一行
テラス席に座ると、例の店員が人数分のカップを持ってやって来た
首謀者「お待たせしました。(配り終え)ごゆっくりどうぞ。」
首謀者であろう店員が離れようとした瞬間、彼らは"行動"を起こした
レイ「いい香り。」
一見、何の変哲もないやりとりだが、店員の意識を向けさせるための前振りだ。慣れているオリヴァーやレイ、クレア、セオの表情はいかにも"自然"だった
オリヴァー「ここの"コーヒー"はどんな味なんだい?」
対して彼は分かりやすく動揺している。何せ、ニコラスは元来、嘘をつくのが苦手だからだ
ニコラス「の、飲んでみるかい?僕、久しぶりに紅茶が飲みたくなったんだ!」
オリヴァー「では、”交換"しようか」
"交換"その言葉が酷く店員の耳に響く
首謀者「!?お客様!申し訳ありません、注文を間違えたみたいでして、」
案の定、食いついた首謀者に、オリヴァーは内心ほくそ笑む
オリヴァー「注文通りですが。それとも、全く同じメニューを頼んだ客人がいらっしゃるということですか?」
首謀者「そ、それは」
オリヴァー「もしかして、"何か”入っているんでしょうか。この"一見何の変哲もないコーヒー”に。」
首謀者「!?」
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