フロムトーキョー
夏代孝明 (瀬尾宗爾)
フロムトーキョー
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27歳の誕生日。
今までさして特別に思えなかったのに、今日はなんだか幸せで胸がいっぱいだ。
不安だらけで燻っていた日々に現れた個性的な友人たちの顔をひとつひとつ思い浮かべる。
この一年、いろんなことがあった。
諦めかけていた俳優の道を再び歩き始め、嬉しいことに応援してくれる人も増えた。
そして、ぶっきらぼうながら背中を押してくれた初恋の人が、今や愛する旦那さんだ。
それに今日ここには、26歳になったばかりの俺なら絶対に信じられなかった数の人が、わざわざチケットを取ってまで祝いに来てくれている。
他ならぬ「瀬尾宗爾」の誕生日をだ。
ここにいていいんだって証明がもらえたような気がして、照れくさくてはにかみが漏れてしまう。
舞台の上に俺を導いてくれる全ての人に、俺に視線を向けて、名前を呼んでくれる全ての人に、心の底からの感謝と笑顔、明日を生きる希望を届けたい。
今日はそのための一人舞台だ。
幸せすぎるこの一年を噛み締めて、俺は舞台袖から足を踏み出した。
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フロムトーキョー(Cover)
不安ばっか知ってんだ
雨が降りそうな日
風の匂いでわかるから
誰だって気づいてんだ
ボクには無理だと
それでも足掻いては転んだ
友情×努力=勝利の方程式
解けないまま過ごした僕らにも
いつか分かる日が来るよって
確証無く笑える自分が嫌いだ
星が降るあの街に
置き去りにした想い出が
胸の奥で揺らめいている
いつまでも焦がれていた
それは
雑踏の海の中で
踊るように燃えている誰かの声
ずっと探し続けてる
たとえそれが僕らのワガママでもいいさ
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