40話
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微雨「集まってくれてありがとう。
全員……いる?」
霧羽「は、はい、大丈夫だと……」
微雨「よかった。
まずは全員生きててくれてありがとう。
誰一人として失わなくてよかったよ。」
焦「……魔王様のお望みのままにすることができず申し訳ございません。」
微雨「ああ、もういいんだ。
……さて、君たちにはどうして僕が降参を選んだか話そうかな。外部に漏らしちゃ駄目だからね?」
和「……はい」
微雨「あんまり自分で言うのもあれだけど……僕、昔から周りに期待されすぎてて。それがプレッシャーになっちゃったのかな。
その時から僕は世界を征服しなくちゃってずっと思ってた。」
帆希「プレッシャー……ですか?」
微雨「うん。それでずっと焦っちゃってて。
そんな中、「永遠の命を手にすれば焦ることもない」っていう考えに行き着いて。
でも永遠の命なんてそんな簡単に手に入るわけがないし、不老不死の魔法を使える人間なんて世界をみても1桁ぐらい。」
柘榴「じゃあ連れてきたあの人は……」
微雨「あの王様は数少ない不老不死の魔法をもつ1人だよ。やっと見つけたって思ってここに連れてきた。……本当は不老不死の魔法をかけてもらって、あの国から来た人達を全員返り討ちにしてゆっくりと侵略しようと思ってたんだ。
これが今回の争いが起きた原因。」
幽怪「そうだったんですね……」
微雨「要するに、全部僕が焦りすぎていたってことかな。みんなをこんなことに巻き込んでしまってごめん。」
明楽「い、いえそんな!」
微雨「……で、僕が降参したあと、彼が僕にコソッと耳打ちしてきてね。」
帆希「何を……?」
微雨「……うん、これはやっぱり内緒かな。」
霧羽「な、内緒ですか……?」
萌雲「ここまできておいて言わないんだ……」
緋麻里「え〜!言ってくださいよ〜!!」
微雨「まぁ1つ僕がみんなに言えることは「自分の好きなように生きてほしい」かな。」
焦「好きな……ように?」
微雨「うん。僕が言うのもあれだけど、道徳的に駄目なこと以外は好きに生きてほしい。」
柘榴「わ、わかりました……」
微雨「それじゃあ僕から、最後の命令をしよう。
「好きなように生きて」」
全員「「……はい!」」
微雨「……「お前の人生なんだから、本当にどうしたいかはお前が決めろ」か……。」
微雨「……ありがとうね、これで僕はもう……」
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