ピエロ
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ピエロ
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少年、ツバサは夢を見ていた。
みんなの前で大きな声で歌う夢を。
ツバサは夢を見ていた。
その美しい音色に皆が感動することを。
ツバサは夢を見ていた。
その情状的な歌詞に誰もが涙することを。
ツバサは夢を見ていた。
誰もが自分の歌を口ずさむようになることを。
そして、青年となったツバサは
そんな夢を
「彼女」に乗せて届けるのだ。
機械のからだで、届けるのだ。
わたしはきっと、彼女のように歌えないけれど。
わたしはわたしの、届けたいものを届けよう。
あなたの大切なピエロになれますように。
大丈夫 大丈夫 おどけてみせる僕は
小さなサーカスの名も無きピエロ
真ん丸いお月様みたいな
ボールの上 バランスをとって
派手に転んだりしちゃって
笑われるのが僕の仕事
客席に泣いてる君を見つけた
そんな悲しい顔はしないでよ
パパもママも知らない君の涙に
僕は気付いた 拭ってあげなくちゃ
『大丈夫、大丈夫 痛くも痒くもないんだよ
君が笑ってくれるなら』
ダイジョウブ、ダイジョウブ 無様に転ぶ僕は
小さなサーカスの玉乗りピエロ
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