【一人声劇】旅

朗読者：

“新しい旅を、始めよう“ 急に足が止まってしまった 何も手につかない だけど、何かがあったわけじゃない 目の前が急に真っ暗になって 声が出なくなって、文字が読めなくなった つらくて つらくて 涙がこぼれそうで 闇の中をもがくような苦しみだった そんな時、たくさんの人をみた 歌を歌う人 演技をする人 文字を書く人 写真を撮る人 そして気づいた やっぱりわたしがいなくなっても世界は回る だけどそこに色を添えることが出来たなら わたしにはそれで充分 そう気付いた時に、わたしの旅は終わったのだ そして、新しくはじまったのだ ゆっくりすすもう のんびり描こう 自分が自分であるために