The greatest show
BRAVISSIMO
The greatest show
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第4話
本当の「私」を受け入れて ─ソワレ─
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舞台に佇むその影は舞歌たちと同じ高校の制服を着ている。けれどそれは舞歌でもひめるでも凜でもない。赤みがかった茶髪の少女。
「え……?まさか……」
「見ないで!」
唯の悲鳴が響く。そして影を隠すように、4人と影の間に立ちはだかった。
それは唯だった。けれど、舞歌たちの知っている唯とはかなり印象が違う。髪型もメイクもずっと地味で、暗い表情で俯いている。
「……ゆぅちゃんはね、高校生までは全然今と違う外見だったの。大学生になってから自分を変えようって頑張ったのよ」
「お姉ちゃん!」
「ゆぅちゃん、大丈夫よ。皆ならゆぅちゃんの昔のことを知っても嫌ったりしないわ。いい子たちばっかりって知ってるでしょ?」
その言葉に唯が動揺したように目を見開く。そして、ぽつりぽつりと話し始めた。
「うちはお母さんがイギリス人なんだけど、小学生の頃にこの顔をからかわれて。だからずっとなるべく目立たないようにって地味な格好してたんだ。でもやっぱり変わりたくて、大学に入る時にちょっと遠い所を選んでイメチェンしたんだ。なんか……騙してたみたいでごめん。あはは、こんな小さいことでずーっとウジウジ悩んで、ほんとダサいよね。どうしよう、私のこと頼ってくれる皆の前では格好良い私でいたかったのになぁ……」
話しながら涙目になり、話せなくなってしまった唯に舞歌が駆け寄って手をギュッと握る。
「ダサくなんてないです!小さいことなんかじゃないです!見た目をからかわれたら嫌に決まってるもん!!!」
驚いた唯が顔を上げると、そこに更にひめると凛もやってきて同意する。
「そうですよ。それに私たちは唯さんを見た目から好きになったわけじゃないです。いつも私たちに優しくしてくれる唯さんのことが好きなんですよ」
「お互いほぼ初対面だった僕らの連絡先をまとめてくれたり、外に連れ出してくれたり、飲み物まで気を使ってくれたりね。なかなか出来ることじゃないんじゃないかな」
その言葉に唯が呆然としていると、歩夢がそっと手を取って唯を立ち上がらせる。
「ゆぅちゃんは、今も昔も優しくて頑張り屋さんな私の自慢の妹よ!ほら、歌いましょ。お客様たちがゆぅちゃんを待ってるわ!」
「みんな!ステージの時間だよ!」
ロビンの言葉と共に幕が開く。そして唯にスポットライトが降り注いだ──
♪♪
「The greatest show」
💛樹里 唯(cv.みりぃ)
💚樹里 歩夢(cv.笑紅)
💜千田 ひめる(cv.はいねこ)
❤️鳳 舞歌(cv.Arisa)
💙井出奈 凛(cv.Ekaterium)
🎪全員
💛So, tell me do you wanna go?
(教えてくれ、君はどこに行きたいんだ?)
🎪Where it's covered in all the colored lights
(それは色とりどりの光で包まれている場所)
Where the runaways are runnin' the night
(それは逃げ出した者たちが夜に来る場所)
Impossible comes true,
(不可能は可能になり)
💛it's takin' over you
(君を虜にする)
💚💜❤️💙Oh, this is the greatest show
(あぁ、これぞ素晴らしきショー!)
🎪We light it up, we won't come down
(光を当てて、私たちはまだ舞台を降りない)
❤️💚💙And the sun can't stop us now
(太陽も私たちを止められやしない)
💛Watchin' it come true,
(夢が現実になるのを目撃して)
❤️💚💙it's takin' over you
(君を虜にする)
🎪Oh, this is the greatest show
(あぁ、これぞ素晴らしきショー!)
💜It's everything you ever want
(それは君が求めていたすべて)
💚It's everything you ever need
(それは君が必要としてきた全て)
💜💚And it's here right in front of you
(今まさに君の目の前にある)
💜This is where you wanna be
(ここが君が求めていた場所なんだ)
💛It's everything you ever want
(それは君が求めていたすべて)
❤️It's everything you ever need
(それは君が必要としてきた全て)
💛❤️And it's here right in front of you
(今まさに君の目の前にある)
💛This is where you wanna be
(ここが君が求めていた場所なんだ)
♪♪
歌い終わった唯の元に影がまたゆらりと姿を現した。4人が固唾を呑んで見守る中、影は唯に静かに問いかける。
『私は……私のこと好き?』
「どう、かな……まだ自信はないけど……でも皆が私のこと好きって言ってくれるなら、好きになれそうな気がするな」
『……そっか』
その言葉に影は嬉しそうに微笑む。そして唯の影はゆらゆらと消えていった。
「……みんなっ!ありがとう~!」
そして唯は元気よく振り向いて、いつもの調子で明るく抱きついてくる。その声が涙にくぐもっていることは全員が知らないふりをした。
そして、そのまま視界が白くなって……。
「ふぁ……」
唯はベッドで目を覚ました。
そのままいつも通り髪をセットして、慣れた手つきでメイクをする。鏡をみれば日本人らしくない赤みがかった茶髪に、明るい色の瞳のいつもの自分が映っている。そんな自分にぎこちなく少し笑いかけてみた。
そして、スマホのアプリを起動して「昨日は慌ただしくてごめんね!良かったら今度一緒に出かけない?」と打ち込むと、30分悩んだ末にえいやっ!と送信ボタンを押した。
直ぐに既読がつき「全然!こっちこそ友達と一緒だったのにごめんね!すっごいオシャレになっててびっくりしたよ。服メッチャ似合ってたから、今度私にも選んで欲しいなー」と返信が返ってくる。
そのメッセージに少しだけ目元を擦った後、唯は「もちろん!」と返したのだった。
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─ロビンの楽曲紹介─
「The greatest show」
上演させて頂きましたのは「グレイテスト・ショーマン」より「The greatest show」です!
「グレイテスト・ショーマン」は興行師であるP.Tバーナムの物語。
バーナムは小人症の男性や、髭の生えた女性、結合双生児の兄弟など当時差別され日陰で生きていた人々のショーを思い付きます。ショーは大成功し一躍時の人となるバーナム。しかし成り上がり者のバーナムに向けられる世間の目は冷たく、様々な苦難が待ち受けるのです……
「The greatest show」はこのグレイテスト・ショーマンの主題歌で、バーナムがショーのキャストたちと歌うパワフルな1曲。
ゴールデングローブ賞で主題歌賞を受賞し、アカデミー賞の主題歌賞にもノミネートされた名曲になります。躍動感溢れるメロディを楽しんで頂ければ嬉しいです!
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♪プレイリスト♪
♬︎特別公演
https://nana-music.com/playlists/3699960
♬︎メインストーリー
https://nana-music.com/playlists/3694197
♪伴奏♪素敵な伴奏ありがとうございます✨
永花-EIKA-様
https://nana-music.com/sounds/049dfe9e
♪Tag♪
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#井出奈凛 #樹里唯 #樹里歩夢 #千田ひめる #鳳舞歌
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